Girl 36 ページ38
♪♪〜
お弁当のおかずをなににしようかと
ルンルンな気分で歩く通学路。
「おっはー！」
「わっ、びっくりした。おはよう 西畑くん」
大「おはようさん。あれ廉一緒じゃないん？」
「え？うん。最近、忙しいみたい」
大「そうなんや〜。あ、せやせや。」
なにかを思い出したような西畑くん。
大「なんでAちゃんは廉と付き合わへんの？」
「え？」
どうして廉が出てきたのか。
そもそも付き合うもなにも私たちはそういう関係ではない。
大「もうずっと一緒なんやろ？そういう気持ちない
ん？」
西畑くんがいうそういう気持ち。
それはきっと廉に対する恋愛感情の事だろう。
「廉は大切な幼馴染みだよ。
西畑くんも知ってるでしょ？」
大「Aちゃんは今でも紫耀の事好きなん？」
心臓が飛び跳ねたのが分かった。
まさかここで紫耀ちゃんの名前が出てくるなんて。
正直 廉 に対する恋愛感情が本当にないかと言われたら何の躊躇いもなく首を縦に振ることは出来ない。
きっと私は、紫耀ちゃんがいなくなってから
いつも以上に私を気にかけてくれる廉に少しだけ
淡い感情を抱いただろう。
でもそれは紫耀ちゃんに対する気持ちには
全然 勝つことなんて出来ない。
たとえ紫耀ちゃんが目の前にいなくても
私は紫耀ちゃんの事を忘れない。忘れたくない。
次から次へとお仕事が決まって画面の中に映る彼の表情は、次第に偽りの笑顔へと変わっていって
今の紫耀ちゃんは私が好きになっていいような存在じゃないのかもしれない。
もしかしたら私のことを好きだと言った紫耀ちゃんはもういないのかもしれない。
そう思い始めるようになった。
そんな事を考えていたら西畑くんの質問に 素直に頷く事が出来なくて。そんな私をみた西畑くんは
大「ごめん、聞き方 間違えた。
.
なんで紫耀が好きなんか教えてや」
聞かなくても分かっていたかのような瞳をして
更に意地悪なことを言う。
だけど私も心のどこかで思ってた。
どうして、好きだと言いながら私の隣から離れた彼を今でもずっと思い続けているのか。
「そんなの分かんないよ…」
いくら考えてもこの答えだけは全然見つからないの。
大「は…？」
西畑くんは意味がわからないとでも言いたそうな顔。
「でもね？西畑くん。
私には紫耀ちゃんじゃなきゃ、だめなの。」
これだけは、ずっと前から分かってる。
.
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作者名：もちみいる | 作成日時：2017年8月6日 3時
