S.H side ページ26
「…でさ、あの時も」
楽しそうに話す彼女。
「そんなんだったもん、…って聞いてないなさては」
顔を拗ねたように覗き込まれて慌てて弁解する。
「いや聞いてるから、ちょっと昔を振り返ってただけで頭は聞いてる」
「それを聞いてないって言うんじゃないの」
呆れたように返す彼女にてへっと笑ってみせると「そーいうとこだって」と小突かれた。
…こんな幸せな毎日すら、望めなかったんだ。
自分の殻に閉じこもってばかりだったあの時は、毎日が地獄だった。
テレビで彼女を見かける度に苦しさと嫉妬で胸が痛くなって。
自分で整理をつけるとメンバーには強がったものの、いざ1人になるとそれを考えることが怖くなる。
結局俺は忘れることが嫌で、でも捨て身でもう一回告白するなんてこともできなかった。
中途半端、情けない、かっこ悪い。
それが、あの時の俺。
…廉と彼女の共演にすら嫉妬で狂いそうだった俺の姿。
廉相手にあんなにも必死になるなんてさ、
余裕どこ行ったって感じだったけど。
廉は間違いなく俺に宣戦布告してた。
『水沢さんと、コンビ役する俺』
挑戦的な目つき。
あの一言で全てを察した。
でも俺は、また振られることが怖くて踏み出せずにいた。
何ヶ月も。
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舞(プロフ) - 月さん» コメントありがとうございます！！きゅんきゅんだなんて恐縮です…笑 平野くんと主人公ちゃんは最終的にくっつきましたがいかがでしたでしょうか…楽しんでいただけていると幸いです！まだ番外編を書く予定ですのでぜひ読んでくださると嬉しいです！ (2021年1月29日 23時) (
レス) id: 0912b5ffef (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - 舞さんはじめまして。きゅんきゅんしながら読ませてもらってます！平野くんと主人公ちゃんがくっついてくれることを願ってます。笑これからも更新頑張ってくださいね！ (2021年1月11日 11時) (レス) id: 11039f4f3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞 | 作成日時：2020年12月2日 20時
