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彼の姿が見えなくなってから、酒井さんがポツリと呟く。

「…平野くん、Aがいないって言ったら顔色変えて探しに行ってくれたのよ」

「すごい必死だった」

そんな、

小波さんから私を守ってくれた彼の背中を思い出す。

「…A。平野くんは、」



“あなたのことを、きっと本当に大事に思ってるのよ”


______

どうなんだろ。

『別に、いいから』

あの時どんな表情をしてたかは分からなかったし、

『……俺は、今更、』

あの言葉の続きを聞くことも叶わなかった。

君は、何を言おうとしたの?


整理のつかない心。

悪いのは私なんだ、分かってるけど。



「…恋ってなんですか、酒井さん」



泣きそうになりながら口にした言葉は、そんな情けないものだった。

酒井さんはわずかに目を見開いて、切なく微笑む。


「いつも、どんな時も、」

「その人のことを思うと切なくなること、かしら」


____ああ、

悟ってしまう。

私があの日からずっと悩まされていた感情の正体を。


私が心から望んでいたのは、“友達に戻ること”じゃない。

彼を思うだけで胸が刺されるような痛みを覚えていたのは、友達を失った悲しさだけじゃない。



私は、平野っちのことが好きだった。

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(プロフ) - 友梨さん» 初めまして、コメントありがとうございます!面白いと言っていただけて嬉しいです…!まだお話は続きますので、ぜひ楽しみに読んでいただけるとありがたいです。 (2020年10月18日 0時) (レス) id: 9c2773f025 (このIDを非表示/違反報告)
友梨(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく拝読させて頂いてます!舞さんの作品とても面白くて何度も読み返してます!いつも応援しています!頑張ってください!!! (2020年10月17日 18時) (レス) id: 5a310d6604 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - じくねこさん» またコメントありがとうございます!嬉しいです!これからも楽しんで読んでいただけるように頑張りますね…! (2020年9月12日 1時) (レス) id: 9c2773f025 (このIDを非表示/違反報告)
じくねこ - 更新ありがとございます続き楽しみ (2020年9月11日 23時) (レス) id: 1083519e52 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - じくねこさん» こちらこそ読んでいただいてありがとうございます!作者のモチベーションアップに繋がります( ;∀;)今日も更新するのでぜひ楽しみにしていてください…! (2020年9月7日 17時) (レス) id: 9c2773f025 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年8月23日 10時

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