Gittering World 2

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永瀬さんに連れてきてもらったのは、普通のレストラン。

穴場みたいで、知らない人なら通り過ぎてしまうかもしれないってぐらい分かりにくい。
でも内装はとてもお洒落だった。

「素敵なお店ですね」

個室に案内されてから感想を言うと、「でしょ？」と嬉しそうに笑う永瀬さん。
お気に入りのお店なんだって。

「永瀬さん、趣味いいですね」

彼は少しムッとしたような顔をした。

「その永瀬さんってやめません？なんか壁作られとる気がして嫌っす」

…壁を作られてるから嫌と言われても。

こちとら気まずいっていうのにさ。

「…じゃ、なんて呼べばいいですか？」

結局は折れる私も私なんだけどな。

「永瀬さんは堅いから廉って呼んでください、くんやなくて呼び捨てで」

「…廉、ですか？」

距離感近くない？
一応会ったのは今日が初めてなんだけどなあ。

「そ、あとタメ口で話してください。俺はなんて呼べばいいっすか？」

「あ、えっと、Aでいいよ」

しどろもどろになってしまった。

こんなにフレンドリーなもんか？

「じゃあAって呼ぶな」

永瀬さん、ではなく廉は満足げにそう言って水を飲む。
その姿をなんとも言えない気持ちで眺めていると、

「…なんでそんな顔しとるん？」

不意に投げかけられた。

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