Gittering World (ページ48)

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それから、2ヶ月が過ぎた。

クランクアップしたから平野っちとは仕事で会うということもなかったけど、毎日のようにLINEはしていた。

新曲が難しいとか、ハモリは廉がやるとか、明らかにバラしちゃいけないようなことも。
私にバラす相手いないからいいようなものの。

まあそれはともかくとして。

「明日予告編解禁だねー」

目の前の彼は上機嫌でお酒を飲む。

「そうだね、いよいよ」

とうとう公開前1ヶ月を切り、予告映像が完成したのだ。

私たちも公開してから見てくださいということで内容は知らない。

「ていうか今忙しいんじゃないの？平野っち」

レコーディングももうすぐなはずだし、振り入れとかもあるだろうし、番組収録もただでさえ多いはず。

「んー、まあ忙しいけど」

「水ちゃんとご飯食べる方が大事でしょ」

そう悪戯っぽく笑う君。

どう反応したらいいか分からなくなって私もお酒を飲んだ。

まあこれはただの見栄っ張りで、本当は全然飲めないんだけど。

「俺明日公開されたらすぐ見るからね、どっちが早く見たか競争しよう」

「小学生じゃん平野っち」

「いーや、人生に競争は大事だよ」

真顔で言われた。