Gittering World (ページ46)

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『カット！』

『水沢Aさん平野紫耀さんこれを持ちまして撮影終了です！』

あー、全部終わっちゃった。
ラストシーンを撮り終えた感想はそれに尽きる。

達成感もあるけど、それ以上に虚しさが強い。
例えば、楽しみにしてた旅行が終わったらなんだかあぁー…ってなるのと似た感じ。

「Aさん…お疲れ様でした…！」

一足先にクランクアップしていた美波ちゃんが花束を持って渡してくれた。

うわ感動…涙が出てきた…

「皆さん、これまでありがとうございました…！初めての主演でしたが、素敵な現場に恵まれて幸せだったと思ってます！！」

最後は涙声になってしまってまともに話せなかった。
寂しい。寂しいよ、この現場を離れるのは。

「水ちゃんお疲れ様！おめでと～！」

「平野っちもお疲れ様！」

お互いにボロ泣きする。

「おーおー泣くなよ、」

横浜さんも駆けつけてきてくれた。
暖かい目で平野っちを見守っている。

『想像以上にいい映画が撮れて嬉しく思ってるよ』

監督さんも優しい言葉をかけてくれた。

少しでも役に立てたのならよかった、と安堵する。

『もう少ししたら予告編解禁だからね、それまで楽しみにね』

「その前にテレビ解禁じゃないっすか？最新映像！」

ワクワクしたように言う平野っち。