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とうとう、私の体に無数にある痣に親が気がついた。
『A、その痣はなんなの』
その時の蒼白な顔を私は忘れない。
所詮、何かあってからじゃないと動かないくせに。
病院に行った。
『誰かに蹴られましたか』
その質問に、私は黙って頷いた。
虐めを受けている、それが全ての結論。
親はヒステリックになって担任と校長を呼んだ。
私はそれから学校に行かなくなった。
教室で起こっていた娯楽、エンターテイメント。
“遊び”が、人を壊すんだ。
中学3年生になって、
学校には行けなかったけども勉強はしていた。
秋菜や、クラスメートのいない所へ逃げるために。
そして私は、家から遠い高校を受験した。
死に物狂いで勉強した成果もあって、無事に合格。
高校は、さすがに誰も虐めなんかしなかった。
そんなのは低脳の、頭の悪い人間がやることだ。
そういう空気の中にいて、私はやっと毎日を楽しめるようになった。
それからもう何年も経って、思い出すことも少なくなった。
彩人と秋菜が重なったけど、もう私の行く所に秋菜はいない。
そう思っていたのに、
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作者名:舞 x他1人 | 作成日時:2020年8月11日 0時