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『ねえ、何か言いなよ⁉』
『何黙ってんのよ、クズが』
思い切り机を蹴飛ばす。
そのまま、冷たい目のままつかつかと近寄ってくる秋菜。
『言葉わかんないの?』
『何か言えって言ってんだよ』
足を蹴られた。
こんなに容赦ない一撃を受けたのは初めてだ。
『…ごめんなさい、ごめんなさい』
謝れば全て終わると思った。
『“ごめんなさい“?そう思うんなら死んでくれる?』
『Aちゃんは何のためにここにいんの?』
『存在するだけ目障りだよ』
思い切り頰を打たれる。
『秋菜っ…!』
声にならない声で叫んだ。
『あ、痛かったあ?ごめんねぇ』
可愛らしい笑顔を浮かべる。
『もう帰んなきゃ、続きはまた明日ね』
この時、逃げなきゃ、と本能的に思った。
でもそう簡単には逃げられない。
親は休みたいという私の声に耳を傾けなかった。
『勉強についていけてないだけだろう』
『そんなことで学校を休まないの』
呆れたような声。
この人たちは何も分かってない。
私はまた、あの地獄に、
秋菜のいるあの教室に、行かなきゃいけない。
絶望していた。
死のうかとすら思った。
でも私にはその勇気もなかったんだ。
『ターゲット登校〜』
学校に行ったら、物がない。
机がない。椅子がない。
人権がない。
虐めっていうのは、つまりそういうものなのだ。
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作者名:舞 x他1人 | 作成日時:2020年8月11日 0時