Gittering World (ページ36)

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トップアイドルであること。

決していいことばかりではないんだろうな、

「ファンかどうかは行いに全部出るんだよ」

自分の声が少し冷たく聞こえた。

「だから、それを見て判断すればいい。ファンでもない人だっているんだから、無理に好きになろうとしなくたっていいと思うよ」

私って性格悪いんだな。

でもこれはずっと思ってたこと。

「…そっか」

少しだけ柔らかく微笑んだ平野っち。

「私のは相当ひねくれた意見だからね、」

「真正面から受け止めなくていいんだよ」

“ファンです！”

その言葉だって嘘の時がある。

口先だけでそれを名乗るのは簡単、真実だって証明したかったら行動で示さなきゃいけない。

ファンについて以外にも言えることじゃない？

「やっぱり水ちゃんは強いね」

「強くないよ」

これは強さとは呼ばないよ。

「ううん、誰が何て言っても強いよ」

彼の瞳は真っ直ぐすぎる。

人のいいところを素直に見つけられない私は、いつもたじろいでしまう。

「…だから俺は水ちゃんのこと、」

「わぁ、Aちゃんじゃ～ん」

背筋が凍る。

「私のこと、覚えてるかなぁ」

忘れるわけがない、

こいつが、

「秋菜だよ、久しぶりだねぇ？」

私の人生を狂わせた人間だっていうのに。