Gittering World (ページ32)

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「Aさんならできますから頑張ってください」

年下なはずの美波ちゃんに励まされて望むシーンは、

『水沢ちゃん、思う存分暴れちゃっていいからね』

さすがに暴れるってのは比喩だけど、大声を出して感情を爆発させるもの。
冷がずっと恐れていたクラスメート、彩人に。

つまりは横浜さんとの演技なわけで、私は軽くビビっているところだ。
なんか分かんないけど叫ぶことに抵抗がある。

「そうだよ水ちゃん、これ演技なんだから」

平野っちも乱入してくる。

『おー彼氏に励まされて元気出ただろ！』

「彼氏じゃないです」

こうやってあれから何度訂正したか分からないのだが、

『照れなくてもいいんだよ！な、平野君」

「はい、水ちゃんシャイなので」

平然と答える彼のせいでその努力も虚しいものになっている。

シャイじゃないわ！

「水沢さん本当に付き合ってたんですね」

横浜さんにまで勘違いされる始末。

「紫耀が言ってた時は嘘だと思ってたんですけど」

嘘だよ。

なんで考え変えるんだよ。

「流星～、俺が嘘言ってたこととかあったか～？」

いやバリバリあるよな、

「Aさん、大変ですね…」

美波ちゃんに苦笑いされる。

「もうこの人危険だから美波ちゃんのとこに避難するよ私」

「本当ですか、来てください！」

癒しすぎる。