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俺らは事務所に戻った後、数人はダンス練習。数人は帰宅。俺含めた数人はVLIVEをすることに。
｢アンニョーン…｣
メンバー達がカラットが振る話題に会話を弾ませながらも俺はずっと彼のことが気掛かりだった。
アイドルとして、想い人のことをファンの前で考えることは最低な事だけれど、皆の声が耳に入らないくらい頭の中は彼でいっぱいだった。
もっと笑って欲しい。
もっと沢山話しをしたい。
その小さく華奢な体を抱き締めたい。
全部、俺のものに。
そんな想いが叶うはずがないのに。
＞＞＞ジョシュア、ちょっと元気なさそう…？
＞＞＞
＞＞＞ I love your smile♡
｢ジスヒョンどうしたの？｣
『っえ、え？』
奥に置いてある珈琲カップを眺めていると、急にドギョマが振り返ってそう聞いた。
他のメンバーは気づいていないようで話に夢中。
『何もないよ…？』
｢カラット達が心配だって。笑ってあげてくださいよ｣
『……うん』
カラットに指摘されるほど、全然笑えてなかったかも。
あー。本当にダメだ。引き摺りすぎている。
ついこの前、もうやめようって決意したばかりなのに。
___ジスさんって本当にかっこいいですよね。僕が出会った中で一番です___
___ジスさんのように話の合う方と出会えて本当に良かった___
幸せな日常。
___あの子が…君に会いたくないって…___
___できる可能性は限りなく少ない___
___君に会う前の時間はいつも怖いって___
突きつけられる現実。
様々な思いが交差して、また胸が苦しくなる。
鼻の奥がツンと痛んで、涙腺が刺激される。
泣いちゃダメだって思えば思うほど視界は潤っていく。
＞＞＞え…ジョシュア泣いてる？
＞＞＞
＞＞＞なんか私も泣けてきた…。
一度瞬きをすると、ほろりと落ちる大粒の涙。
諦めつけた時は泣かなかったのにな…どうして今、思い出して泣いてしまっているのだろう。
｢ジスヒョン？｣
『っ……ごめん』
止めようって思っても止まらない。
腕で顔を覆いながら練習室を出た。
其の儘誰もいない別の練習室へ向かい、扉を閉めた瞬間、崩れ落ちた。
床にはぽたぽたと小さな水溜まりが幾つも出来ていく。
やっぱり俺は彼のことが好きで好きで堪らないようだ。
たとえ男だろうと彼の笑顔が、彼を取り巻く雰囲気が全てが好き。
非日常になってしまった彼の笑顔が恋しい。
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作者名：ピーナッツバター | 作成日時：2021年8月2日 2時
