察 ページ9
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｢好きだから笑ってくれないと不安になるし、会えないと苦しいんじゃないんですか？逆に笑ってくれると幸せになれるし、次も話そうって気になれるんじゃ？｣
『…好き……か……』
ホシに言われて少し考えた。
確かにやけに俺はAくんとの会話に必死だった気がする。
彼が食いついてくれるように。彼と話す時間を少しでも長くする為に。
身の回りの事を全て捧げて、彼との会話に勤しんでた。
それなのにたった一回のことで全てが崩れ、こんなにも悩むなんて。
｢…なに葛藤してるんですか。別に俺らは恋愛禁止じゃないし、ジスヒョンが好きになろうがならないかなんて自由ですよ。まぁ…Caratが居ますけど｣
『そうなんだよなぁ…！』
1番忘れてはいけない事実を思い出してしまった。
そういえば、最近ファンらしき人物達が俺の後をつけてくるようになった。
所謂サセン達が俺らの居場所の特定を始めてきた。
宿舎はセキュリティがしっかりしてて、部屋の番号まではバレてないけれどあの珈琲屋は完全に特定された。
彼が怯えていたのも多分それが関係してる。
『…余計に会いたくなった』
｢会いに行けばいいじゃん｣
『だから会えないからどうしたらいいって聞いてるじゃん』
｢え、プライベートで会ってたんですよね？｣
『あー、俺がAさんの居る仕事場に行ってたって感じ』
｢店員さんなんですね…ってかなんかお腹空いた。眠い。ジスヒョン、この話はまた後で〜！おやすみなさーい！｣
『おぉ…おやすみ』
ここだけはホシは変わっていなかったようだ。
明日、店主に彼の住所でも聞いて直接会いに行こうか。
｢教えられない｣
『…そう…ですよね……』
次の日、いつもの時間に珈琲屋を訪れ、住所を聞くも教えて貰えなかった。
個人情報だし、俺たちは特別仲が良くプライベートでも会う存在ではないから断られる予想はしていた。
しかし、有力な情報は教えてもらった。
｢…そういえば、あの子ずっとイケメンくんが来る前の時間は"怖い"って呟いてたなぁ｣
｢あぁ、そう！お店の中ですっげぇ美人さんに話しかけられて、最初笑顔だったのにだんだん笑顔が消えていったの怖かったな！｣
『女性と…怖い…』
成程、やはりサセンが何か関係していたのか。
CARAT達はいい子ばかりで俺達は殆ど何も言わなかったが、こればっかりは少し口を出さないと気が済まないかも。
無意識のうちに拳に力が入ってしまった。
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作者名：ピーナッツバター | 作成日時：2021年8月2日 2時
