年下わんこは待てが出来ない！ (ページ49)

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「…ほら、俺ら付き合ってるやん、

事務所とかもそれ知ってるけど、だとしても、だからって配慮する理由にもならないし。

……だから、A、悲しくなるかなって」

「……」

…私の予想通りで、思わず「ふふ」と声が漏れた。

きっとそれは、道枝くんなりの優しさなんだ。そう気付いた。

「えっ…なんで笑うん？！」

「ううん。なんでもないー」

「えー！！教えてや」

道枝くんの不器用な優しさが感じられて、なんだか変な感じ。心がふわふわしている。くすぐったいような、言葉に表せないもどかしさ。

確かに道枝くんの言う通りだけど、私だってそこまで心は狭くないよ。

「……お気遣いありがとう、全然気にしなくていいから！」

私なりに、にぱっと笑ってみせる。

やっぱり、道枝くんは優しい。そう心の中で再確認された。

今度は頬にじゃなくて、心がじわじわと暖かくなった。カーッとするような熱さじゃない。恥ずかしくもない。安心するよな、安らぎで…。

「…とにかく、今日は早めに寝よ？！明日のために！」

「朝苦手なんだから」とそそのかして、道枝くんに先にお風呂に入るよう言う。

その道枝くんの瞳は、どこか幸せそうな、そんな色をしていた。

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