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私は正面から目を逸らさず
馬車の後ろの方を歩く。
町の門がゆっくり開くと
焦げた匂いが鼻についた。
町の奥へ歩いていくと
町人たちがこちらを見て
ヒソヒソと話している。
奥に近づくに連れ
焦げた匂いが強くなっている。
原因はあまりにも、あっさり見つけた。
家が燃え尽きている。
それにただの焦げではない臭いもした。
背筋に悪寒が流れる。
この町は何かが起きた後だ。
あの道化師が原因……?
「ふむ。
着いたようじゃな」
トロデ王様の声にハッとする。
深く物事を考えすぎたみたい。
「わしの記憶に間違いがなければ
確か、この町のはずじゃ。」
でも、この町にあの道化師がいるはず。
「この町のどこかに
マスター・ライラスと呼ばれる人物が
住んでいるはずじゃ。」
「ちょっと待ってくれよ、おっさん!
アッシらが追っていたのは
ドルマゲスってヤツじゃ
なかったでがすか!?」
拍子抜けした。
マスター・ライラスさん……?
でも、その名前に聞き覚えがある気がする。
「そうじゃ!
憎きはドルマゲス!
わしらを、このような姿に変えた
とんでもない性悪魔法使いじゃ!
一体あやつめは
どこに姿をくらませてしまったのか!?
一刻も早く、あやつめを探し出し
この忌々しい呪いを解かねばならん。
でなければ、あまりにも
ミーティア姫が不憫じゃ」
思い出そうとすると頭が痛くなる。
「せっかく、サザンビーク国の王子と
婚儀も決まったというのに……。
ど、ドルマゲスのヤツめっ!」
私はフラフラしながら馬車に寄り掛かった。
そんな私に気付いたのか
ミーティア姫様は私のことを
心配そうに見ている。
「申し訳ございません」
小さく声に出し、体制を整える。
「というわけでエイト。
さっそくじゃが
ライラスなる人物を
探し出してきてくれぬか?」
「トロデ王、よくわからないのですが……」
「ふむ。
話が見えぬか?
ライラスこそがドルマゲスに
魔法を教えたといわれる人物。
ライラスなる者に聞けば
あるいはドルマゲスの足取りが
掴めるかもしれん……。
というわけで頼んだぞ。
わしは、ここで休んでいるからな。」
私はフラフラしながら
エイト、ヤンガスに近づく。
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作者名:ひなこ | 作成日時:2020年2月16日 17時