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「本当、何度も言うようでがすが
兄貴がこの可笑しなおっさんの
家来なんてねぇ。
まっ、アッシにしたところで
兄貴の子分になったわけっすから
人のことは言えんでがすが……」
「誰が可笑しなおっさんじゃ!?
まあ、よいわ!
下賤の者には、わしの気高さなど
到底わからぬということじゃな。」
トロデ王様は緑色の肌をしていて
とても小さい、おじ様。
ヤンガスと話している時は
カリカリしていて、ちょっと恐いけれど
情が深くて愛のある王様だと私は思う。
「A。
そなたなら、わかってくれるな?」
「おっさん!
姐さんに助けを求めるのは
卑怯でげすよ」
場が笑いで和む。
エイトも楽しそうに笑っている。
彼は一体、何を考えているのだろうか。
「そんなことより、エイト。
姫はどうした?
姫の姿が見えぬようじゃが……」
思い返してみると姫様の姿をあまり
拝見していない。
最後に拝見したのは……。
ガサガサ ガサガサ
草が揺れる音。
姫様だろうか?
いや、違う。
もっと小さい。
そして、複数いる。
「魔物だ!」
私の声とともにスライム3体が姿を現す。
私は剣を棹から抜き
素早く構える。
「むっ!
兄貴!」
エイトとヤンガスも武器を構え
戦闘体制に入る。
彼らとともに魔物を倒すのは初めてだ。
この程度なら、私1人でも十分、倒せる。
けれど、これから出会うのは
弱いものだけとは限らない。
この戦いで彼らの力量を知っておこう。
「トロデ王様。
どうか、お下がりくださいませ」
私はトロデ王様にそう告げ
魔物に向かって走り出した。
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作者名:ひなこ | 作成日時:2020年2月16日 17時