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劣化? ページ20

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「あらA、もういいの?」


「ん…。ごめんなさいママ、残しちゃって…」


「いいのよ。きっと疲れてるのね。お風呂に入ってもう寝てしまいなさい」


「うん…」



最近、食欲がない。眠りも浅くなった気がする。

それがなんのせいなのか、本当は分かっているけど。でもだからといってどうも出来ないでいる。



ぶくぶくぶく。

湯船に口元まで埋めて、息を吐き出す。


今日もまた見てしまった。


『劣化した』
『子供のころの方が可愛かった』


劣化。劣化かぁ。そっか。

そう見える人もいるんだな、って俯瞰的に見られる自分と、言葉に突き刺されてる自分がいる。

いつからこんな風になったんだっけ。最初はこんなじゃなかったはずなのに。



「はあ…」



大きな溜息を吐いて湯船から立ち上がった。


鏡に映る自分を眺める。

アイドルを始めた時より伸びた身長。膨らんだ胸。より女性らしくなった体つき。



「劣化…かぁ、」



やっぱり、子供の頃の可愛らしさだけが好きな人もいたんだろうか。

大人になった私はもういらないのかな。

顔も…自分じゃ分からないけど、本当に子供の頃の方が可愛かったのかも。


色々と考えて、結局なにも答えは出ないからやめた。



「A〜?次パパが入ってもいいかな」


「あ、はーい。もう出まーす」


「ごめんごめん、急がなくていいよ」



磨りガラスの向こうから掛けられた声に、慌ててお風呂を出た。

服を着てから脱衣所の扉を開けると仕事帰りの父が立っていた。

髪の毛はブラウンで顔立ちは西洋人って感じなのに、話す日本語はもう何の違和感もない。母のために一生懸命勉強したんだって。



「A、最近少し元気がないね?」


「え…そんなこと、ないよ」


「そう…?」



顔を見れない。

そうやって俯いて黙り込んだ私を、逞しい腕がそっと抱き締めた。

上から優しい声が降ってくる。



「辛くなったら、やめたっていいんだよ」


「……、…ぅん…」



辛くなったら。

でも、ファンのみんなが待ってる。やめるなんてそんなこと_____出来るわけない。



.

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瑠璃烏(プロフ) - 苺さん» 苺さんコメントありがとうございます!今回も楽しんで頂けるよう頑張ります! (10月24日 9時) (レス) id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 今回も安定に神作すぎて好きですうう😭♡♡更新楽しみにしてます🎀 (10月23日 19時) (レス) @page18 id: 31ed2e1075 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2023年10月11日 12時

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