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糸師さんとまた会ったのは、それから大して時間を置かずに開かれたパーティーの中だった。御影くんに招待されて両親と一緒に参加したパーティーでのこと。





「あら、Aさん。いらしてたの?」


「お家で休んでいた方がいいんじゃありません?相変わらず、歩けないんでしょう?」



あはは、やめなさいよ、と笑う数人に合わせて私も笑う。長谷川百合香さん一派だ。



「留守番は両親が心配するんです」


「あらあら。相変わらずなんですねぇ」



その笑い声に嘲りが含まれていることは知っている。でも今こんな所で角が立つ言い方なんてしてしまったら騒ぎになってしまう。

騒ぎになって私が彼女らに嫌がらせを受けていたなんて両親知られたら、両親が彼女らに何をするか分かったものじゃない。

彼女らを守るためにも、ここは我慢。



「もう二十歳(はたち)になったんでしょう?いつまでお母様やお父様に守って頂くつもり?」


「さあ…まだ暫くはこのままかもしれませんね」



肩を竦める私を、彼女たちはクスクスと顔を突き合わせて笑う。

我慢、我慢。

隠れてグッと拳を握り締めた時。



「九條さん」


「え…」



背後から聞こえた声に振り向いて、目を見開いた。



「お父様方が探してらっしゃいますよ」


「あ……は、はい。すぐ行きます」



柔らかく微笑む糸師さんがそこにいて、困惑しながらタイヤを操ろうとすればハンドルを握られる。

彼女達に失礼、とひと言置いて、糸師さんは車椅子を押した。

離れて行く寸前、彼女達が目を見開いてこちらを呆然と眺めているのを見て少し胸のすく思いがする。性格悪いかな。

もう声は聞こえないだろうという所まで離れて、糸師さんは2人にしか聞こえないような音量で舌打ちをした。



「なんでされるがままになってんだ」


「いや、事を荒立てる訳にもいかないので…」


「チッ」



助け船を出してくれたらしい彼の優しさに触れて、ぎゅっと胸が締め付けられた気がした。



「ああA、探したのよ。ありがとう糸師さん」


「いえ」


「私の主催じゃないが、ぜひ楽しんでいって下さい」


「ありがとうございます」


「あ、ありがとうございました!」



両親に頭を下げて去って行く背中に手を振った。



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瑠璃烏(プロフ) - エリザベス女王さん» そんな風に言って頂けて嬉しいです!玲王は考察の余地を残そうと思って最後まではっきりとしたことは敢えて書いてないので、ご自由にご想像頂ければと思います😌見て頂きありがとうございました! (4月7日 14時) (レス) id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王(プロフ) - どんな気持ちで助けていたのか、、、考えても考えてもまとまりません!冴くんがただひたすらにかっこよくてずっと三途の川を泳いでました!本当に最高でした!!ありがとうございました😭 (4月7日 11時) (レス) id: 2cb2cc3e09 (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王(プロフ) - 最高でした、、、‼︎主様の前作を読んでそこのリンクから飛んだのですが安定の最高さでした❤️駆け落ち系の話を見たことがなくて不安だったのですが初めてがこんな素晴らしい作品だだだ私は明日やらでも降るのかもしれません笑玲王くんはいったい (4月7日 11時) (レス) @page44 id: 2cb2cc3e09 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - ニアさん» コメントありがとうございます!素敵な考察までして頂けて嬉しいです!2人とも本当にいいキャラですよね! (4月2日 12時) (レス) @page43 id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
ニア - この作品を読んでから2人をめっちゃ好きになりました!最後の切ない感じが最高でした…御影くん実は夢主ちゃんのこと好きだったんじゃないか…だから微笑んだんじゃないかとか色々考えていたら切なさときゅんきゅんが止まりません…ありがとうございました!! (4月2日 10時) (レス) id: b8d76587d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2024年3月6日 11時

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