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あの後結局すぐに奥さんが帰ってきて、慌てて体を離した。そんな私を面白そうに眺めていたのは多分根に持つ。

最寄りの駅まで送ってくれた冴くんを振り向くと、ふと手が伸びてきて頬を撫でた。



「歩く練習、しとけよ」


「はいっ」



離れて行く手が名残惜しい。でももう帰らないと、心配掛けてしまうから。パパとママは今日も変わらず、私を心配しているから。

またあの鳥籠に戻らなければならない。次に会うのはいつになるか、わからないけれど。それまでにはきっと、もっと歩けるようになっていよう。

そう心に決めてタクシーに乗り込んだ。



「じゃあ…また」


「ああ」



扉が閉まって、ガラス窓を隔てる。じっと見つめ合ったまま、タクシーは緩やかに発進した。











「ただいま」


「ああA、おかえりなさい。よかったわ、無事に帰ってきてくれて」


「大丈夫だって。そんなに心配しないでママ」


「心配するに決まってるわ。さあ、着替えて手を洗ってらっしゃい。すぐにご飯にするから」


「うん」



死んでも今日のことは話せないなと思いながら洗面台に立ち、お湯で両手を温めつつ汚れを落とす。

タオルで手を拭いて、その指先をそっと唇に寄せてみた。

キス、しちゃった。抱き締められちゃった。

どうしよう、きゅんきゅんし過ぎて胸が苦しい。また次に会えた時、どんな顔して会えばいいんだろう。



「A?どうしたの、ご飯にするわよ」


「あ、はーい」



様子を見に来た母に慌てて返事をし、松葉杖は持たずに自分の足で食卓へ向かった。


揃って両手を合わせて食べ始め、母の作った料理を食べながら問われる。



「今日はどんなことをしたの?」


「その子の家に行ったの。一緒にサッカー見たんだ」


「あら、そうだったの。楽しかった?」


「うん、とっても」



後で友達に話を合わせてもらうよう頼まなきゃ。そう思いながらハンバーグを切り分けて口に運んだ。


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瑠璃烏(プロフ) - エリザベス女王さん» そんな風に言って頂けて嬉しいです!玲王は考察の余地を残そうと思って最後まではっきりとしたことは敢えて書いてないので、ご自由にご想像頂ければと思います😌見て頂きありがとうございました! (4月7日 14時) (レス) id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王(プロフ) - どんな気持ちで助けていたのか、、、考えても考えてもまとまりません!冴くんがただひたすらにかっこよくてずっと三途の川を泳いでました!本当に最高でした!!ありがとうございました😭 (4月7日 11時) (レス) id: 2cb2cc3e09 (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王(プロフ) - 最高でした、、、‼︎主様の前作を読んでそこのリンクから飛んだのですが安定の最高さでした❤️駆け落ち系の話を見たことがなくて不安だったのですが初めてがこんな素晴らしい作品だだだ私は明日やらでも降るのかもしれません笑玲王くんはいったい (4月7日 11時) (レス) @page44 id: 2cb2cc3e09 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - ニアさん» コメントありがとうございます!素敵な考察までして頂けて嬉しいです!2人とも本当にいいキャラですよね! (4月2日 12時) (レス) @page43 id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
ニア - この作品を読んでから2人をめっちゃ好きになりました!最後の切ない感じが最高でした…御影くん実は夢主ちゃんのこと好きだったんじゃないか…だから微笑んだんじゃないかとか色々考えていたら切なさときゅんきゅんが止まりません…ありがとうございました!! (4月2日 10時) (レス) id: b8d76587d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2024年3月6日 11時

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