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「い、糸師さん、私…自分で、立てるから」
「…ああ」
固まっている凛さんを置いて冴さんは私の足をそっと床へ近づける。ちゃんとバランスが取れるまで体を支えてくれながら彼は凛さんに呼びかけた。
「そこの松葉杖もってこい」
「え…あ、おう」
「あ…ありがとうございます」
手渡された松葉杖で自分の体重を支え、ちゃんと両足で床を踏み締める。凛さんはずっと何か言いたげに、私を支える冴さんを見ていた。
ちゃんと立てたのを確認して手が離れて行く。改めて姿勢を正した。
「九條Aと言います。初めまして」
「あ、はい。初めまして。糸師凛、です」
「いつも見てます。日本に戻ってらしたんですね」
「兄貴が戻るって言うんで」
彼らの兄弟仲は改善されて久しい。凛さんは私と話しながらチラチラと冴さんの方を見遣っていた。
その視線を受けて冴さんは溜息を吐き、面倒そうに口を開く。
「別に、お前が思ってるような関係じゃねえ。勘違いすんな」
「あ、そう…」
凛さんはあからさまにホッとした顔をする。そりゃ、私みたいなのが恋人だなんて言われたらショックだろう。
彼はなんだかんだでお兄さんが大好きなのだ。
「A」
「あ…お母さん、お父さん」
「あら、凛さんもいらしたのね。冴さん、娘を見ていてくれてありがとう。もう大丈夫ですよ」
「いえ」
母に肩を抱かれて安心させるように微笑みかける。そっと背を押されてまた息苦しいパーティーの中へ戻りながら、顔だけ振り向いて冴さんを見つめた。
僅かに首を傾けるその仕草に微笑んで、華やかなパーティーへと戻った。
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瑠璃烏(プロフ) - エリザベス女王さん» そんな風に言って頂けて嬉しいです！玲王は考察の余地を残そうと思って最後まではっきりとしたことは敢えて書いてないので、ご自由にご想像頂ければと思います😌見て頂きありがとうございました！ (4月7日 14時) (
レス) id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王(プロフ) - どんな気持ちで助けていたのか､､､考えても考えてもまとまりません！冴くんがただひたすらにかっこよくてずっと三途の川を泳いでました！本当に最高でした！！ありがとうございました😭 (4月7日 11時) (レス) id: 2cb2cc3e09 (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王(プロフ) - 最高でした､､､‼︎主様の前作を読んでそこのリンクから飛んだのですが安定の最高さでした❤️駆け落ち系の話を見たことがなくて不安だったのですが初めてがこんな素晴らしい作品だだだ私は明日やらでも降るのかもしれません笑玲王くんはいったい (4月7日 11時) (レス) @page44 id: 2cb2cc3e09 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - ニアさん» コメントありがとうございます！素敵な考察までして頂けて嬉しいです！2人とも本当にいいキャラですよね！ (4月2日 12時) (レス) @page43 id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
ニア - この作品を読んでから2人をめっちゃ好きになりました！最後の切ない感じが最高でした…御影くん実は夢主ちゃんのこと好きだったんじゃないか…だから微笑んだんじゃないかとか色々考えていたら切なさときゅんきゅんが止まりません…ありがとうございました！！ (4月2日 10時) (レス) id: b8d76587d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃烏 | 作成日時：2024年3月6日 11時
