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「ちょっと試しに歩いてみろ」


「ええ…?わ、わかりました」



ふんすと力んで足に力を入れ、ゆっくりゆっくり立ち上がる。グラグラ揺れるのを、車椅子に掴まって何とか立ち上がった。

数歩先にいる糸師さんの方へ、一歩足を踏み出そうとして。



「わっ…!?」


「ったく…前途多難だな」


「うう…」



やっぱり、そりゃ無理だよね。

糸師さんが崩れ落ちた私を抱き止め、抱き上げる。

その逞しい腕に抱えられて動悸が治らないまま彷徨わせた手を、恐る恐る彼の首に回してみた。顔が赤くなってるのがバレなければいいな。

でもそれも一瞬で、そっと車椅子に降ろされる。



「ま、頑張るんだな」


「は、はいっ」



ぽす、と頭に手が置かれてまた頬に熱が上った。



「ああA、ここにいたのね」


「おや、糸師くんと一緒だったのか。探したよ」


「あ…ママ、パパ」


「どうも」



母が駆け寄ってきて私の目の前にしゃがみ込み、そっと髪の毛の乱れを治すのに黙って従う。



「ちょっと気分が悪くなっちゃって。糸師さんが連れ出してくれたの」


「そうだったのね。ありがとう、糸師さん」


「これからは言ってからにしなさい。心配するだろう」


「はい、ごめんなさいパパ」



いいんだよと頭を撫でられる。さっき糸師さんに撫でられた時とは全然違う感覚に目を細めた。

さあ戻ろうと車椅子を押されて名残惜しく糸師さんの方を振り返ってみると、彼は私を真っ直ぐに見つめていた。

彼と視線が絡んで、小さくひらひらと手を振った。



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瑠璃烏(プロフ) - エリザベス女王さん» そんな風に言って頂けて嬉しいです!玲王は考察の余地を残そうと思って最後まではっきりとしたことは敢えて書いてないので、ご自由にご想像頂ければと思います😌見て頂きありがとうございました! (4月7日 14時) (レス) id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王(プロフ) - どんな気持ちで助けていたのか、、、考えても考えてもまとまりません!冴くんがただひたすらにかっこよくてずっと三途の川を泳いでました!本当に最高でした!!ありがとうございました😭 (4月7日 11時) (レス) id: 2cb2cc3e09 (このIDを非表示/違反報告)
エリザベス女王(プロフ) - 最高でした、、、‼︎主様の前作を読んでそこのリンクから飛んだのですが安定の最高さでした❤️駆け落ち系の話を見たことがなくて不安だったのですが初めてがこんな素晴らしい作品だだだ私は明日やらでも降るのかもしれません笑玲王くんはいったい (4月7日 11時) (レス) @page44 id: 2cb2cc3e09 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - ニアさん» コメントありがとうございます!素敵な考察までして頂けて嬉しいです!2人とも本当にいいキャラですよね! (4月2日 12時) (レス) @page43 id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
ニア - この作品を読んでから2人をめっちゃ好きになりました!最後の切ない感じが最高でした…御影くん実は夢主ちゃんのこと好きだったんじゃないか…だから微笑んだんじゃないかとか色々考えていたら切なさときゅんきゅんが止まりません…ありがとうございました!! (4月2日 10時) (レス) id: b8d76587d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2024年3月6日 11時

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