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『男は18歳から、女性は16歳から結婚できるんだよ。僕たちは2歳差だから、すぐ結婚できるね』


『結婚…結婚かぁ』


『Aは、いや?』


『ううん、嬉しいよ。待たなくていいんだもん』


『よかった。じゃあ…僕が18になって、Aも16歳になったら、すぐに結婚しちゃおうか』


『うん。約束ね』



笑い合って絡めた小指。その隣の指に指輪を嵌めて、2人は幸せそうに笑っていた。










「ん……」



水底から掬い上げられるように意識が浮上して、そのまま目を開いた。時計を見ると、目覚ましが鳴るまであと5分。

幼い日の約束。あの光景を、今でも夢で見る。

もう戻っては来ない、夢のような日々。


起き上がって布団を剥ぎ、いつも通りにカーテンを開く。窓も開けると湿気った空気が流れ込んできた。



「今日は…」



昼からのお仕事だから、そんなに時間がない。

鳴る前に目覚ましを止めて、着替えを取りにクローゼットを開いた。











「こんにち、は…?」


「あ、初めましてー!蜂楽廻でっす」


「初めまして。潔世一です。お邪魔してます」


「あら…」



仕事をしに糸師くんのお家へ行くと、いつもはいない2人がリビングで寛いでいた。

もちろん2人の事は知っている。糸師くんがブルーロックにいた頃からの友人(?)で、どちらも世界で活躍する選手たちだ。

持っていた荷物を台所に下ろして姿勢を正す。



「初めまして。こちらでハウスキーパーをしています、家守Aです」


「ハウスキーパーかぁ〜!凄いね凛ちゃん!」


「別に。てかテメェらの飯はねえぞ」


「大丈夫。ちゃんとお二人の分も作れると思う」


「そんなのいい。てか仕事それだけじゃねえんだよ。掃除の邪魔だ。やっぱ帰れ」


「凛ちゃんひどーい!」



そんな学生みたいな掛け合いに笑顔が溢れた。


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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2024年1月27日 23時

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