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「それじゃ、今日はご馳走様でした。またな、凛」


「ごちそうさまでした〜!じゃあね凛ちゃん!」


「お粗末さまでした」


「さっさと帰れ」



そんな事言わないのと苦笑しながら宥めて、2人を見送った。


さっきまで騒がしかったから、2人がいなくなった部屋は何だか寂しく感じる。

でもこれから部屋を掃除しなくちゃいけないし、洗濯物も干さないと。



「じゃあお掃除と洗濯物、片付けちゃうね。埃が立つかも」


「問題ない。…頼む」


「はい、頼まれました」



掃除をしている間に洗濯物が洗い終わるだろうからそしたら干して…

頭の中で段取りを進めながらクイックルワイパーを動かして埃を取っていく。

ソファに座ってホラー映画を流し始めた糸師くんにそういえばと聞いてみた。



「ブルーロックの皆さんとは今でも会うの?」


「…機会があれば」


「そうなんだ。素敵だね」


「そんなんじゃねえ」



あいつらが勝手に…だの言っているけれど、きっと本心は満更でもない。だって嫌そうな顔してないし。

いいな。私にもそういう人の1人や2人いれば良かったのに。

微笑ましい気持ちになりながら、うっすら溜まった埃をもふもふのモップで取り去った。







掃除が終わると洗濯物を干して、業務は一度お終い。

糸師くんはずっとホラー映画を見ている。



「糸師くん、ちょっといい?」


「ん」


「一度お仕事おしまいだから、一回帰ってもいいかな?またお夕飯作りに戻ってくるけど」


「分かった」


「ありがとう。それじゃ、また後でね」



今日はこの後、猫を見に行く予定があるのだ。

テレビをじっと見つめたままで返事を寄越す糸師くんに手を振って、お家を後にした。





そこからバスに揺られて15分。

着いたのはペットショップの前。可愛らしい子犬や子猫が戯れる店内に入ると、明るいショーケースが私を出迎えた。



「かっ…かわいいっ……!!」


「何かお探しですか?」


「あっ、いえあの……っあ…」



掛けられた声に慌てて振り向くと、店員さんが1匹の子猫を抱えて立っていた。

その子猫は真っ黒な毛並みに翡翠の瞳を持っていて、その神秘的な瞳に心臓を撃ち抜かれたような衝撃が走る。


これはきっと、運命だ。


そう思った。



「あの…この子って、」



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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2024年1月27日 23時

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