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「見学のAAです。サッカーは素人なので…色々教えて下さい」



頭を下げると暖かな拍手に迎えられる。チラリと見遣ると潔くんはニッと笑ってくれた。


部活が始まると先生の傍に着いて、マネージャーの仕事について説明を受ける。

ドリンクの用意、ドリンク渡し、備品の管理や補充、手入れ。監督などの伝達や雑用代行、スコアの記録に日誌の記入。救急道具の管理と補充。



「ビブスとかタオルの用意もして貰うことになるな。ああ、あと応急処置も覚えて欲しい」


「はい」



言われたことをおおかたメモし終えて、早速ドリンクの用意を教えて貰いに水道へ向かった。

さっき言われた仕事は今は1年の控えの選手がやってくれているらしい。でも控えの選手だって当然ながら練習だけしていたい訳で。それは私がマネージャーになれば解決することだ。



「こんな感じで、粉と水入れて振るだけだから」


「分かった」


「やってみる?」


「じゃあ」



粉末と水をボトルに入れて振るだけの仕事はけれど案外体力を消耗するものだと初めて知った。

出来上がったドリンクをボトルキャリーに乗せて、いっぱいになったキャリーを持ち上げてみる。これも思っていたより重くて驚いた。

練習を見学しながら、控えの安西くんが色々と教えてくれるのに耳を傾ける。



「Aさん、サッカーに興味あったんだね」


「興味っていうか…まあ、うん。本当に素人だからこれから勉強しないとだけど」


「マネージャーなってくれたらほんと助かる。ありがとう」


「私こそ、色々教えてくれてありがと」



顔を見合わせて笑い合う。仕事をしろと飛んでくる声にビクリとして、2人してすみませんと声を飛ばした。







「潔くん、ドリンク」


「さんきゅ!あ〜暑い」


「お疲れさま。アイシングいる?」


「いる!」



流れる汗をタオルで拭う潔くんの(うなじ)にアイシングを当てると、気持ちい〜と息を吐いた。



「マネージャーの仕事、どう?出来そう?」


「うん。色々あって驚いたけど」


「そうなんだ。あんま知らないんだけど、大変そう?」


「まあ多少は。でもやりがいのある仕事だと思うから」



そっか、と笑う潔くんに微笑み返す。5分の休憩はあっという間に終わって、彼は監督の元へと向かって行った。

粉末と水を入れてジャカジャカと振りながら、今は夏だからいいけれど冬になったら手が荒れてしまいそうだなんて考えた。



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瑠璃烏(プロフ) - さっちゃんさん» コメントありがとうございます!悪女書くの苦手で…結局いい子になっちまったです。悪女断罪系もいつか書きたいです!閲覧ありがとうございます!! (5月6日 20時) (レス) id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん(プロフ) - 途中から入ってくるマネって、だいたい悪女多いからそのタイプかぁ…とか思ってたらめっちゃいい子だった!面白かったです! (5月6日 17時) (レス) @page50 id: c5a0fb1f72 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 苺さん» ありがとうございます!悪女を書くにはまだ修行が足りない……いつか書きたいと思ってます! (2月13日 8時) (レス) id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ひとみちゃん、悪女かと思いきやかなりいい子で😩❤️❤️❤️人間味ある感じ?!とても好きです。。!!! (2月13日 2時) (レス) @page41 id: 31ed2e1075 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 彗さん» ありがとうございます! (2月6日 11時) (レス) id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2024年1月21日 10時

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