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おまけ.1 ページ44

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それから潔くんが青い監獄(ブルーロック)に呼ばれたのは、冬の選手権で負けてすぐだった。

何があるのか分からないまま指定された場所へ向かうのを行ってらっしゃいと送り出して、潔くんはそのまま監獄に収容された。

突然連絡が取れなくなって驚いたけれど、きっとサッカーを頑張っているんだと思って気を確かに保つようにして。


そして今日は、その集大成とも言える日。



「見て、お母さんお父さん。あの子が世一くん」


「あら、可愛い子ね。優しそうだし」


「こんな場に選ばれるなんて、サッカー上手いんだなぁ」


「うちのエースだからね」



両親に挟まれた席に座って、チームメイトと話している潔くんを見つめる。きっとこっちには気付かないだろうけれど。

そして、キックオフの時が訪れた。











潔くん、あんなサッカーする人だっけ。まるで違う人みたい。

始まった試合を見て、終始困惑してしまった。私の知っている潔くんでは明らかになくて。本来はあんなサッカーする人だったのか。

エースである糸師凛選手との完璧な連携。きっと最良の存在だ。



「いけぇー!」



私よりも父の方がすっかり熱くなっている。母は口元を手で覆って私を抱き寄せた。その背をさすりながら、目を見開く。



糸師凛の覚醒と、ひとかけらの幸運。それは最後のゴールをブルーロックにもたらした。



「ぁ……」


「Aっ」


「よし!よくやった潔くんー!!」



会場が一気に沸き立つ。父も立ち上がってガッツポーズを作った。じわりと視界が滲んで顎が震え、母に抱き締められながらポロポロと涙が溢れていく。

糸師冴は本物の天才だった。誰もが勝てるわけがないと思っていたことだろう。

でも、潔くんたちは真っ向から勝ってみせた。こんなに勇気をもらえる試合を見たのは人生で初めてだ。

落ちてくる涙を何度も拭って拭って、思い切り息を吸い込んだ。



「おめでとーう!!」



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瑠璃烏(プロフ) - さっちゃんさん» コメントありがとうございます!悪女書くの苦手で…結局いい子になっちまったです。悪女断罪系もいつか書きたいです!閲覧ありがとうございます!! (5月6日 20時) (レス) id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん(プロフ) - 途中から入ってくるマネって、だいたい悪女多いからそのタイプかぁ…とか思ってたらめっちゃいい子だった!面白かったです! (5月6日 17時) (レス) @page50 id: c5a0fb1f72 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 苺さん» ありがとうございます!悪女を書くにはまだ修行が足りない……いつか書きたいと思ってます! (2月13日 8時) (レス) id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ひとみちゃん、悪女かと思いきやかなりいい子で😩❤️❤️❤️人間味ある感じ?!とても好きです。。!!! (2月13日 2時) (レス) @page41 id: 31ed2e1075 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 彗さん» ありがとうございます! (2月6日 11時) (レス) id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2024年1月21日 10時

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