検索窓
今日:31 hit、昨日:127 hit、合計:27,820 hit

19. ページ19

.



ボールを追い掛けて走る。その時。



「わ……っ!」


「Aさん!」



ズシャアッと派手な音を立てて転ぶ。ゆっくりと起き上がりながらジャージに着いた砂埃をはたいた。

今の、多分わざとやられたな。明らかに故意に伸ばされた足に引っ掛けられた。

坂本さんが慌てた様子で駆け寄って来る。



「大丈夫!?」


「ん、平気。ちょっと保健室行ってくる」


「着いてくよ。ほら、立てる?」


「ありがとう」



差し出された手を握って引っ張り上げてもらい、大きな溜息をひとつ。

坂本さんといつも一緒にいる2人がクスクスと笑っているのを横目に、足を引きずりながら保健室へ向かった。











「Aさん、怪我平気?」


「潔くん。見てたの?恥ずかしい…」


「ごめん、見ちゃった。結構ハデにいってたから」


「大丈夫。手当てして貰ったし」


「そっか、よかった」



ホッとした様子で笑ってくれる潔くんに頷く。

多分わざと足を引っ掛けられたとか、そんな話は絶対にしない。女子の汚いところを知られたくないから。

アップに向かうのを見送って再びドリンク作りに勤しんでいると、今度は高里くんがやって来た。



「Aさん、転んだって。大丈夫?」


「平気。ごめん、心配かけて」


「いいって。無事なら良かった」



高里くんも優しいな。モテるのもよく分かる。

心の中でうんうんと頷いて、潔くんに続いてアップに向かう背を見送った。

擦りむいた手のひらと膝はジンジンと痛みを訴えているけれど、それは無視した。



.

20.→←18.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (64 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
138人がお気に入り
設定タグ:ブルーロック , 潔世一
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

瑠璃烏(プロフ) - さっちゃんさん» コメントありがとうございます!悪女書くの苦手で…結局いい子になっちまったです。悪女断罪系もいつか書きたいです!閲覧ありがとうございます!! (5月6日 20時) (レス) id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん(プロフ) - 途中から入ってくるマネって、だいたい悪女多いからそのタイプかぁ…とか思ってたらめっちゃいい子だった!面白かったです! (5月6日 17時) (レス) @page50 id: c5a0fb1f72 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 苺さん» ありがとうございます!悪女を書くにはまだ修行が足りない……いつか書きたいと思ってます! (2月13日 8時) (レス) id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ひとみちゃん、悪女かと思いきやかなりいい子で😩❤️❤️❤️人間味ある感じ?!とても好きです。。!!! (2月13日 2時) (レス) @page41 id: 31ed2e1075 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 彗さん» ありがとうございます! (2月6日 11時) (レス) id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2024年1月21日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。