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カ…と音を立てて黒板に点を刻む。書き終わった時に点を打つのは直そうと思っている癖だ。
「では球技大会の種目はこれで決定とします。各自思うところもあるかと思いますが、真面目に練習に取り組んで下さい」
「はいありがとう」
先生に会釈して自分の席に戻る。
バスケ、サッカー、ドッジボールの3種目。第2希望まで提出してもらったものから約40人を3種に均等に分配するのは大変な作業だった。当然ながら文句も出てくるし。
でもその点うちのクラスは優秀だ。特別に面倒くさい文句は言われていない。
掲示用のプリントを作っておかなくちゃと頭の中に留め置いて、授業終わりの挨拶を復唱した。
「Aサッカーだっけ?」
「うん。ドッジが第1希望だったけど」
「なんで?サッカー部のマネージャーじゃん」
「あんなの私できないし。莉奈は…バスケ?突き指しそう」
「言わないでよぉ」
でもドッジもサッカーも無理だもん。そう項垂れる莉奈は美術部で、運動は苦手らしい。でも決定は決定だから仕方ない。
揃って教室を出たら人とぶつかって咄嗟に謝り、その人を見て目を見開く。
「潔くん」
「Aさん!球技大会の話し合い、どうだった?」
「サッカーになったよ」
「マジ?俺も!頑張ろうな!」
「うん」
次の授業があるからと教科書と筆箱を抱えて友人と共に去って行くの手を上げて見送る。
ニヤニヤしながらそれを見ている莉奈に眉を顰めた。
「ニヤニヤしないで」
「え〜?してないよお」
「してる。…ウザ」
「ごめんって」
ふいっと顔を背けた時、こちらをじっと見つめる視線を感じて周りを見回したけれど、その視線が誰のものかは分からなかった。
「さ、早く音楽室行こ」
「…うん」
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瑠璃烏(プロフ) - さっちゃんさん» コメントありがとうございます!悪女書くの苦手で…結局いい子になっちまったです。悪女断罪系もいつか書きたいです!閲覧ありがとうございます!! (5月6日 20時) (レス) id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん(プロフ) - 途中から入ってくるマネって、だいたい悪女多いからそのタイプかぁ…とか思ってたらめっちゃいい子だった!面白かったです! (5月6日 17時) (レス) @page50 id: c5a0fb1f72 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 苺さん» ありがとうございます!悪女を書くにはまだ修行が足りない……いつか書きたいと思ってます! (2月13日 8時) (レス) id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
苺(プロフ) - ひとみちゃん、悪女かと思いきやかなりいい子で😩❤️❤️❤️人間味ある感じ?!とても好きです。。!!! (2月13日 2時) (レス) @page41 id: 31ed2e1075 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 彗さん» ありがとうございます! (2月6日 11時) (レス) id: 8bc81fca4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2024年1月21日 10時