金曜日、貴女と。【skt】 (ページ8)

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3.水曜日のため息。ページ8

「なぁ、坂田。今日お前どうしたの？おかしくね？」

「うわ、ほんまや。めっちゃ上の空」

「なんかあったんかな。Aちゃんと、」

昼休み、うらさん達と屋上で昼ご飯を食べていた時だった。今日何度目かわからない溜息をまたついた。なんでこんなにため息をついているかと言うと、今日は用事があってAに会いに行けないからだった。それともう一つ、Aに好きな人がいるということ。ずっとそれが頭に引っかかって、憂鬱な学校がさらに憂鬱になった。

「おーい、さかたー。目ぇさませー」

「返事もせんやん……やっぱなんかあったんやろな」

そのことに気づいたのは数十秒後の話だ。うらさん達の方を見れば心配そうにこちらを見ていた。俺が「どうしたん？」と問うと、お前のせいだよと返された。まーしーになにかあった？って聞かれたから、なんでもないよと返したけど、センラに絶対あるって言われて、しぶしぶ言った。

「まぁ、一日くらいは一人の時間やってもええんやない？」

「なんなら俺らと今日遊ぶのやめる？」

「それは嫌やから、ちゃんと遊ぶ」

「明日は会いに行けばええんちゃう？それまでの辛抱やろ」

やっぱりそうなるよな、と心の中でいったん区切りをつけて、残っていた焼きそばパンを口に押し込んだ。もし、彼女が俺達みたいに元気だったら、いまこの瞬間にいたのかなって。一緒に学校とか行けてたのかなって。

「あんまり溜息ついてると、幸せが逃げるぞ」

Aちゃんに、会いに行けなくなるよと、まーしーに言われセンラにも頑張れよと言われた。

「……うん、そうやね」

寂しい気持ちを、今は精一杯この時間を楽しむために、明るい方向へと変えた。でもそれは、明日になると崩れ落ちた。