1.月曜日の呼び出し。 ページ2
月曜日。学校が始まったと、憂鬱な気分で一日を過ごした。放課後になると、入っていたメールを見て、俺は口角が少し上がった。簡単に言うとにやけている。メールの送信主は俺の幼馴染で、小さい頃から片想いしてる大好きな子。俺は軽い足取りで、彼女の元へ向かった。
目の前にある開け慣れた少し重いドアを、ゆっくりと開ける。すこし奥に行って、カーテンをめくれば彼女の姿が見えた。
「久しぶりやね、A」
「そうだね!久しぶり、優!」
俺の姿を見れば、ぱぁぁぁと効果音が付きそうなくらいに目を輝かせ、にっこりと可愛らしい笑みを浮かべたのは、俺の幼馴染のAだった。ひらひらと手を振ってくれる手には、点滴が繋がれている。それを見るのが嫌になって、俺は机の方に目を移した。
「勉強してたん?」
「うん、まぁ、やっても意味ないんだけどね」
あはは、と枯れた笑みを浮かべるAを見つめながら、俺はそれに返す言葉を探していた。でも、数秒で見つかるはずもなく、「そっか」と寂しい返事をしてしまった。ベッドに腰かけ、彼女を見る。
「今日は何で呼んだん?」
「実は…ね、優に伝えないといけないことがあるの」
「俺に?なに?」
やけに真剣な顔になるな、と思って俺は返事を返す。彼女は息を吸って吐いて、を数回繰り返して、口を開こうとする。でも、「ぁ、」とか「その、」ばかり言って、彼女の口はまったく開こうとしない。
「っ…やっぱいいや!気にしないで!」
「…え、あ、うん、」
にこっといつもの笑みを浮かべて、彼女は俺に言った。
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作者名:天音 | 作成日時:2022年12月14日 19時