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「ね、どう?おいしい?」

「うん、うまいよ。今日もありがとね」

そういうと「えへへ」と照れくさそうに笑う彼女。昔は、どうかこのままいたいと思うほど、この時間は心地よいものだった。明日なんてやってきてほしくないと、心から願った。

願っていたんだ。

もしかしたら、彼女の難病で明日俺の前からいなくなってしまうのかもしれない。その恐怖がずっとぬぐえなくて、朝起きてから見る、彼女の姿と寝顔には、とても安心していた。でも、結局は傍にいてやれなかった。

「……ねぇ、A。Aは本当に、Aなの?」

俺の言葉を聞くと、彼女は驚いたように目を見開く。しばらくすると、クスクスと笑っている。

「なーに言ってんの!わた…は、………だ…ほん…に………」

「え、?なんて、言って、」



「うらたん!」

「うらたさん!」

眼を開けば、焦ったような顔をした三人が俺の顔を覗いていた。俺の視界は少し滲んでいて、見えにくかった。目を擦りながら起き上がると、俺はきっと眠りながら泣いていたらしい。

「よかった……うらさん倒れたから、びっくりしたんやけど」

「ごめんごめん。……軽く寝れたし、もう大丈夫だよ」

「うらたん、念のため今日は休んどこ?俺らも心配やし……」

センラの言葉に俺は「でも……」と言葉を濁す。だけどもし、俺が頑張ったところでセンラやまーしぃ、坂田を心配させてしまうのではないか。

「今は大事な時期やし、念のためだから。」

「もし帰りたくないんなら、ここで横になっとけばええんやない?」とまーしぃが言う。それなら、と俺は了承して、ここにいることにした。

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設定タグ:浦島坂田船 , 歌い手 , うらたぬき   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:天音 x他1人 | 作成日時:2022年11月26日 21時

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