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そのまま何もする気がおきなく、テレビを久しぶりにつけて淡々と真顔でニュースキャスターが言う、今日あったニュースを黙々と聞くだけ。それすら聞こえてこなかったけど、なにもしてないよりはましだった。スマホにピコンと着信が入り、相手をみると坂田だった。トーク画面を開けば、おはようと返してくれている。
それがどこか嬉しくて、俺はおはようと返した。すると既読がすぐつき、坂田も心配してくれてるんだよな、と改めて思う。
『さっきのなに』
そう送られてきて、俺はすぐ『お前を道連れにしようと思って』と送る。スマホの左上にある時計は、「6:3」と時間が刻まれていた。そしてすぐ、時間は「6:4」になる。俺がこうしている間も、時間だけは進んでいて、俺だけ取り残された感覚になった。
?マークを頭に浮かべたペンギンのスタンプが送られてきて、クスリと笑みがこぼれた。
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また彼女の写真を見たくなったので、フォトアプリを開いた。下から上にスクロールしていると、目に入ったのは、打ち上げ花火をバックに、ピースをしている彼女の写真。
(あれ、この服……)
彼女が着ている服に、俺はすぐに目がいった。彼女が着ていた服は、昨日の夢と同じ洋服だった。緑のカーディガンに白いワンピース。よく見れば、神社の裏だったことに、俺は気づいた。
「うそ、だろ…」
(現実であったことが、夢に……?)
楽しそうに笑う彼女の写真を見ながら、少しばかり恐怖を覚えてしまっていた。
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作者名:天音 x他1人 | 作成日時:2022年11月26日 21時