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「あー、眠れねー」

ソファーに座って、部屋の天井をじっと見つめた。テレビなんてうるさいだけだから見たくもないし、こんな深夜に面白いのもやってないし。スマホはこれ以上彼女の写真を見ていると虚しくなってしまうし。数時間前に坂田からはOKというペンギンのスタンプが送られてきていた。純粋に、あいつこんなの使うんだと思った。

「……俺って結局、どうしたいんだろ。」

自分でもわからなかったけど、謎があるとするならばそこだった。彼女のことがどうとかいっているけど、結局意気地ないだけじゃないか。彼女のことを思っているのなら、彼女のためになることをしてあげるべきなのに。長い間付き合っていたくせに、墓参りにもいかずにただただ悔やんでいるだけなんて、情けないじゃないか。

(……Aは、どう思ってんのかな)

夢の中の"A"は、俺が創造した、元気な彼女の姿なのか、それとも。

考えたって分からないのに、なんでも理由をつけようとしてしまう。理不尽は仕方のないことで、だって、みんな自分の思っていることが正しいと思っているから。それを他人に曲げられてしまえば、理不尽というものは発生する。

「自分らしく」なんて、この世に理不尽が生まれ続ける限り、きっとそんな願いは叶わない。そして、人に心がある限り、理不尽は生まれ続ける。だから、人は人と上手く付き合っていかなければならない。時には他人を盾にし、時には人を上手いように使うのも、それもまた大事なんだ。

人のいう"誠実"とは、そういう意味なのではないかと思う。

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設定タグ:浦島坂田船 , 歌い手 , うらたぬき   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:天音 x他1人 | 作成日時:2022年11月26日 21時

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