ワンルーム・ラブ【usss】 (ページ4)

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「やめてください」

私は彼の手を振り払った。そして彼をキッと睨みつける。彼は少し驚いたようだけど、にこりと笑って彼はその場に立ち上がり、赤髪の男の元へと向かった。私もその場から立ち上がろうとしたけれど、足に力が入らなかった。本能的に私の身体は怖がっていた。

「あれ、なにしてるん？」

先程開かなかったあのドアが開いた。アメジストの色をした瞳は私ではなく彼らを見ている。彼の足のうしろに見えるのは真っ赤に染まった見慣れた廊下と、倒れている２人の従者だった。そしてこの男の靴やズボンの裾は赤色で所々染まっていた。

声が出なかった。ただ怖いとしか思わなかった。冷静だった筈の思考は、この男の登場とこの男の後ろに隠れている風景のせいでぐちゃぐちゃにかき乱された。

「……あ、このこなんや。」

私をみたのかしらないけど、頭の上から声が降ってくる。「あー、これはお嬢さんがみていいものやないで」とドアを閉める。従者達の元へいきたかったけれど、どうしても身体は動かなかった。

「立てる？」

私に手をさしのべているけれど、手を取る気はさらさらない。この男もきっとあいつらの仲間だ。彼は私のところへきて私を横抱きにする。じたばた暴れるけれど、びくともしなかった。諦めてじっとしているとベッドの上に座らされて、頭を撫でられる。急に起こった出来事に頭は困惑するばかりだった。

「従順やん、かわい」