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「まちがいさがしぃ?ウォーリーを探さないでみたいなやつ?」

レトくんが興味を示した。
ウォーリーを探さないで、なんていう懐かしい私のトラウマの名称まであげて。

「違う違う、この辺の人ならみんな知ってると思ってたけどそうじゃないみたいね。
あのね、まちがいさがしって言うのはね…」

ガッチさんの話を要約すると
雨の日に赤いスカートを履いたずぶ濡れの女の子を見たら、一カ月以内に死んでしまう
というものだった。

「ね〜え!!ガッチさんやめようよ、もう私目開けてらんないよ!?」

せめてもの抵抗にガッチさんのカバンを強めに揺らす。
聞かなきゃ良かった。見ちゃったら死ぬだなんてどうしようもないじゃない。

「でもさぁ、まちがいさがしって名前の割にそんな要素なくない?なんでそんな名前なん」

今まで喋らなかったキヨが口を開いた。
なんで今なの! もうやめて欲しいと言ったばかりなのに。

「あぁ、なんかそれはね、女の子を見た日の夜から見る夢は自分が通ってる学校が舞台らしくてね。現実の学校と夢での学校の違いがいくつかあるらしくて。それを全部見つければ死ななくて済むらしいよ」

「だって、A。よかったじゃん、最悪見ても死ななくてすむかも知んねーな?」

キヨがケラケラと笑う。バカにされているけれど、確かに対処法が知れたのはありがたい。
いや、まず私はこんなオカルト信じないけれど。


話はオカルトからいつもの他愛もない話に変わった。
そのうちに、いつもの公園の角を曲がる。

飛行機の形のジャングルジム。
赤い二つのブランコ。
3つのベンチ。

全てを雨が激しく叩いているけれど、そこにあるのはいつもの光景だった。


そこに立つ、女の子を除いて。

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作者名:新寺 | 作成日時:2018年10月25日 2時

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