→13 ページ13
「ん、じゃあこれお前のお母さんに。よろしく伝えといて」
「うん、ありがと。美味しくいただきます」
美味く料理すんのはお前のかーちゃんだろ、とキヨから玉ねぎの入ったビニール袋を渡される。
思っていたより重いそれに腕を持っていかれかけて、結局キヨが玄関まで運んでくれた。
「送ってくれてありがとね、気をつけて帰ってね?」
「そりゃそうするわ…。あ〜…あとさ」
「ん?」
「夜もしも怖かったら、連絡してきてもいいぞ」
「さっき泣き真似してバカにしてきたくせにぃ?」
「うっせーな、心配してやってんのに可愛げねぇ奴だなほんと」
「可愛げならその辺に落としてきたわ…。まあなんだ、ありがとね」
「おう、じゃあまた明日な」
「また明日ね、おやすみ」
自転車を運転するその背中にじゃあね、とひらひらと手を振れば、キヨも振り返りはしないけれど片手をひらひらと振って返してくれた。
__________________
電気を消して、息をついた。
眠るだけなのに、こんな緊張することがあっただろうか。
もし、今日も学校の夢を見たら。
そんなわけないと思えば思うほど、頭の片隅で怖い気持ちが大きくなっていく。
我慢できなくなって、思わずスマホに手を伸ばした。
Aキヨ、今大丈夫?
キヨ掛けて
A話が早くて助かる、ありがと
96人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:新寺 | 作成日時:2018年10月25日 2時