Double Face.【HQ!!】 (ページ10)

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烏.７ページ10

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　流石に学年の違う階に来ると雰囲気が全然違うから居辛い。溜め息をつきながら目的地である３年４組の中を覗く。

　「岩泉？どうか、したのか？」

　「あ、澤村先輩。それに菅原先輩も。」

　後ろから声をかけられて振り向くと２人が並んで立っていた。…出来れば会いたくなかったのだけど会ってしまったからにはしょうがない。アイツを呼んでもらおう。知らない先輩に声をかけるよりは気持ちは楽だし。

　「すみません、塔野先輩を呼んでいただいても？」

　「おぉ、それは良いけど…。」

　流石の澤村先輩でも快く了承、とは行かず怪訝そうな顔で見つめられる。そりゃそうだ他学年で何の共通点も無さそうだもの。

　「あ、委員会のことで少し…。」

　ただ、こういうこともあろうかと、と言うことで２、３個の接点を作ってある。それでも澤村先輩達を前にして嘘を交えて話すのはなんとも心苦しい…。

　「塔野ー、俺の可愛い後輩が呼んでるべー？」

　…可愛い後輩、に苦笑いしつつ呼んで貰った菅原先輩にお礼を言っていると司が教室から出てきた。

　「確かに可愛い後輩だな、スガ。」

　先輩達の前で何を言ってくれるのか。と睨むと目を逸らしながらとりあえず、あっちで話すかー。なんて、言いつつ私の背中を押してきたので逆らわずにそのまま動く。

　あぁ、また部活の時にでももう一度お礼を言っておこう。

　