烏.32 ページ35
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結局、烏野は青城に負けた。
セットカウント
そして、次の最終日決勝戦。私はそれを見るために、学校を休んで、仙台市体育館に足を運んでいた。バレたら監督に怒られる。
今日は、司も莉華さんたちもいない私だけ。
烏野のマネージャーとしてでも、蓮月のメンバーとしてでもなくて、ただ幼馴染みと兄を応援するためだけに来た。
「頑張れ、お兄ちゃん。頑張れ、徹。」
ぎゅっと手を胸の前で握って祈るようにコートを見つめる。25-22で1セット目は白鳥沢に取られて。。
2セット目も、もう終盤に入ってる。勇くんのスパイクで1点入り、後1本取ればデュース。
「頑張れ…!」
徹のサーブで何とか白鳥沢を崩せたら、と考えたけど、サーブは上げられ、最後は牛島先輩が決めて、優勝は決まった。
「やっぱり、強いなぁ白鳥沢。」
なんて、呟きながらコートを見るとお兄ちゃんと徹と目があった。
「お疲れ様。」
“良い試合だった”なんて言葉を望む2人じゃないのはよく知ってる。声は届かなかったはずだけど、意味は通じたみたいで。
「…よし、取り合えず、今から学校行ったら部活始まってるだろうから学校行って。家に帰ったら2人の好物作ってあげよう。」
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