Double Face.【HQ!!】 (ページ27)

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烏.２４ページ27

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　コートに入る前の最後のミーティングが始まる１０分ほど前。伊達工に勝ったからなのか、周りからの目がなかなか刺さる。そういえば、今日は司が来るんだったか。

　「よっ！！」

　「塔野！？お前、どうしたんだ。今日、平日だぞ？」

　…ほんと、その人のこと考えたら現れるとか言ったりするけど本当なんだな。現れなくていいのに、なんてバレないようにため息をついて。

　「んー、俺バレー見るのは結構好きだからさー。あと、青城に知り合いいるから。」

　澤村先輩の言葉に目をそらした司。…サボったら監督に怒られると思うんだけど。チクってしまおうか。バレー見るのは結構好き、ねぇ…。笑いそうになるのを頑張ってこらえていると司が私の腕をつかんだ。

　「はっ！？つ、…塔野先輩！？」

　ちょ、こんなの聞いてない。烏野のメンバーもわけの分からないって顔してるのがあんた分かんないの！？と思わず言ってしまいそうになるのを頑張って抑える。

　「スガー、悪ぃけどちょっと借りるわー。」

　「はっ！？塔野！？」

　菅原先輩の戸惑う声が後ろから聞こえるけど、私としては司のこの行動に意識が向いていて振り向くのを忘れた。

　烏野が見えなくなり、声も届かない場所まで移動したのを確認して司を止める。

　「…どういうこと。」

　「いや、ただ青城の知り合いに会いに行くだけだよ。１人で行くの嫌だし。」

　お前は知り合いいるからさ。とほざく司にため息をつくしかない。…たったそれだけのために私は後でみんなに説明しなければならないのか。