烏.２０ ページ23
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速攻などで何とか１セット目先取から始まった２セット目。
このセット取れなかったら烏野が勝つのは難しくなるはず。無意識にノートを握りしめてしまっていて、少しノートに皺が寄ってしまった。…しわが寄ってないノートってないかもしれないな。
「頑張れ…。」
コート外のしかも２階席で、声援を送るしか出来ないことが物凄くじれったい。ベンチで声をかけれたらいいのに。
もっと、ずっと、見ていたい。試合中であろうと進化をし続ける烏野の試合は見ていて凄く楽しい。目が離せない。もう一度がない試合ってほんとに目が離せない。蓮月は練習試合だけだから、もう一度がない試合ってないから余計にそう感じるのかも。
一瞬足りとてコートから目を離したく無いが、ノートに少しでも多くのことを書くために目を離す。少しでもコートの外から見て、気づいたことを書くのが今の私に出来る精一杯。
取って、取られて、繰り返して今、烏野のセットポイント。これを取れば、烏野の勝ち。
「日向くんはサーブ強化、と。」
苦笑しつつノートに書き留めると、周りの人からは、日向くんが後衛になったことを残念がっている声が聞こえてくる。…やっぱり日向くんが魅力的に映ってるんだな。
日向くんが後衛でもエースが前衛にいるから問題は多分無いと思うのだけど、まぁ、日向くんの方が目立ってしまっているかもしれないしそう思われてもしょうがない。
きっと、最後はエースが決める。だなんて、勝手に思い込んでいるだけだけど。でも、きっと烏野のみんなもそう思ってるんじゃないかな。
トスが乱れて、押し合いで烏野のコートにボールが落ちる。と誰もが思った。ノヤが腕を伸ばしても、届かない、それはリベロとしての直感。
「足…。」
「足ィーーッ！！！」
「「「もう一回！！！」」」
ノヤの咄嗟の判断で足で上げられたボールが床に落ちずに宙を舞う。コートの中と外からの声に東峰先輩が助走の確保に走る。
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