烏.１９ ページ22
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走る音と一緒に聞こえてきた声に聞き覚えがあって振り返ると烏野女子バレー部。…試合、終わったんだ。
「すごい、伊達工に勝ってる…！」
その後ろから男性２人。こっちは知らない顔。…社会人かな。２０代後半くらいに見える。OBの人だろうか。
「マネージャー、増えたのか？」
「音駒のときはいなかったな。」
話し声が耳に入る。音駒ってことは…もしかして、烏養さんの言ってた町内会チームの人？だとしたら見た感じの年齢ともあってるし。
「初めまして、２年マネージャーの岩泉です。
町内会チームの方ですか？と聞くと肯定と名前が返ってきた。嶋田さんと滝ノ上さん。あってたみたい。軽くお辞儀をしてコートに目を移そうとしたら道宮先輩と目が合った。
「…お久しぶりです。」
「久しぶり。」
コートに目を移すと隣にいた莉華さんにぎこちない挨拶をしていたからかどうしたのかと聞かれてしまう。…バレた。
入学当初、北一の時に一度だけリベロとして出た公式戦のことを知っていたらしくずっと道宮先輩に勧誘されたから。どうにも、そのおかげで苦手意識が消えない。正確には道宮先輩の一つ上のキャプテンの人がしつこかっただけで道宮先輩は悪くないんだけどね。
莉華さんに軽くそんな説明してようやくコートに目を移す。
「西谷ァァァ！！」
東峰先輩のスパイクが伊達工のブロックに当たって自軍のコートに落ちそうになったそのボールをノヤがレシーブしたと思ったら日向くんはもう戻っていて、日向くんが飛んだ瞬間、ブロック２人も飛ぶ。
そんな日向くんの後ろに、東峰先輩。
「パイプ成功、だ。」
つい、口角が上がった。
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