烏.18 ページ21
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ノヤの名言を聞いて、あぁリベロの仕事してる。羨ましい。なんて思ってたら試合開始の時間。
2年の鉄壁2人が前衛か。確か、伊達工は春高まで3年が残らないはずだから、慣れとくのも1つの理由としてあるのかな。なんて考えながらシャーペンをノックする。
飛雄くんのトスから日向くんのスパイクで1点!とはやっぱり簡単にはくれないようで。流石はリードブロックを武器にしてくる伊達工。周りの人たちの声を聞けば少しにやりと嬉しくなっちゃう。もっと見て烏野のこと。
カリカリとシャーペンを滑らせながらコートを見ると日向くんが嬉しそうな顔をしていたからノートから顔を上げる。この瞬間、見ないなんてもったいない。
田中のレシーブから飛雄くんのトスからの______速攻
「なんだ今のオオォ!!?」
観客の反応についニヤついてしまい、頑張って表情筋を動かして普通の顔になるように頑張る。いやさすがにニヤけるのは女子としてやめておきたい。
梨華さんと乃亜さんも流石にびっくりしたみたいで、にやにやしちゃう。蓮月でも滅多にどころかいないもんねこんな選手。
…あ、青城がコートに入った。横目で近くのコートを確認。今回はどんな試合になるかな。
英くんと勇くんにとっては高校初めての公式戦。いつもとはまた違った結果になるんだろう。司令塔が違う試合は結果も違う。
早く青城との試合が見たい。伊達工との試合も終わっていないのに、もう次のことを考えてる。気が早すぎるってね。
そのためにも勝たないと。と応援するのに気合いを入れるため、頬をパチンッと叩いてコートを見る。
「おぉ!?」
飛雄くんの無茶な体制からの日向くんへのトスについ声を漏らしてしまう。あの体制であの速攻するとか、本当に飛雄くんって強気。…ていうかあれ、身体痛めたりしてない?大丈夫?
伊達工がタイムアウトを取ってから、伊達工も周りも日向くんに目を奪われ始めた。それが、烏野の狙い。なんて知らないんだろうな。
日向くんに目を奪われている隙に、レフト2人が動く。…でも、まだ東峰先輩はスパイクを決めていない。まだ、壁を壊せていない。
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