烏.14 ページ17
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試合が始まってノートに気付いたことをとりあえず書き留めていると英くんにソレ今でも続けてるんですね。と言われた。
「あー、うん。人には見せられないけどね。」
書いてる字はたまに自分でも、ん?と考えるときがあるほどの汚なさだから人に見せないといけないときは清書するかパソコンに打ち直す。
英くんにアハハと苦笑いを返すと、そうですか?俺、Aさんの字好きですけど。なんて返ってきた。なんか、女子に対するスキルが上がってません?ちょっとドキッとしちゃうよ?やめときな?勘違いする子増えるよ?英くんモテるのに。
「あ、それ後で見せてよ。」
「私もー。」
はーい。と手を上げて主張してくる乃亜さんを見てると、試合の時の真剣な顔でブロックしてるのが信じられなくなる。…人は見かけによらないよなぁ。
「そーいえば、あの2人前はいなかったけど誰?」
「リベロとエース。」
おっ、今の良いスパイク…。やっぱり飛雄くん良いトス上げるなー。フォームもきれい。ところどころ癖があるけど。
「説明酷すぎない…?」
「家で、説明する。」
無視した方が面倒くさいなと考えて小声で返事をする。家で、なんて誰かに聞かれたら付き合ってる、と疑問の1つや2つは余裕で聞かれそう、なんて。
「烏野、なかなかやるじゃん。教えてくれたら良いのに。」
「マネだから。情報は与えない方が烏野にとっても有利でしょ?まあ戦う機会があるかどうかは分からないけど。」
「それはそうだね。上がってこれるかな。」
いくら戦うことが無いからと言っても、どうせ女子に言ったら男子の方にも筒抜けになるし。それなら言わない方が断然良い。
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