烏.9 ページ12
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潔子先輩に少し早めに抜けます。とだけ謝りを入れて部活が終わるとそのまま蓮月の体育館に直行した。ボトルとかのできる片付けはしたけどそれでも仕事を残してるのは申し訳ないなぁ…。
蓮月のジャージを着てたし、鞄にいつもは付けていないラバーバンドを付けていたからノヤに不思議がられた。
しょうがない。だって、いつもならアッチで着替えるけどそんな時間をかけたら監督に睨まれるだろうし、ラバーバンドは外に付けておいた方が体育館に入りやすい。
ラバーバンドを付けてないと体育館には入れない仕組みになっているから面倒くさい。なんて、考えながらバスから降りて走る。ハッ、と肩で息をしながら体育館へ駆け込んだ。
「すいま、せんっ…遅くなりました。」
息も絶え絶え、体育館の中を見渡すと私以外の全員が揃っていた。見慣れない顔で1人メンバーの座っている正面にいるのは篠原くんだろう。
「お、A中々早かったなー。俺らの自己紹介は終わったから次はお前だぞ。」
手を軽く挙げて手招きしてくる司に向かって歩くと凌さんだけがお疲れ、と言ってくれた。ほんと、ここは凌さん以外優しくない。
「マネージャー兼選手の岩泉Aです。部活に入っているのでこんな感じでいつも遅れてきます。」
必要最低限のみの自己紹介を終わらして篠原くんを促す。とはいえ、連絡が入ってるから名前もポジションも知ってはいるんだけど。
「えと、篠原和城です。高校1年でミドルブロッカーです。」
MBとは聞いていたけど、身長高いな…。見上げなくてはいけないことに嫌悪感を抱きかけたので、とっさに話題を替える。
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