姫林檎 �� Juri.T

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you side



誕生日を終え、季節はすっかり秋。

私の小指には今日も樹くんからもらったピンキーリングが光っている。



あ、今はね樹くんとのデートの待ち合わせ中なの。




「おねーさん、その小指に光る指輪かわいいね？
誰からもらったの？」



『えっと....これは...

って、樹くん！！』



変な人に絡まれちゃった、

なんて言ってかわそうと思って顔を上げたらそこには、待ち人がいた。



「Aちゃん〜？？

変な人相手にするなっていつも言ってんよね〜？」


『なんてかわそうか考えてたとこだもん。
樹くんこそ、変なことしないでよね！笑』


「いやさ？
声かけようとしたら指輪見つめてニヤニヤしてる変人がいたからつい笑」


『今、変人って言った！』


「え。気のせい笑笑」


『んも〜！！！笑笑』


私たちはいつもいつもこんな調子。


特別恋人らしいことはあんまりしないし、

その...体の関係もまだ。



樹くんが私のことを思ってくれてることはわかってるんだけど。



周りの友達で済ましてる人もいるし、そこまで気にすることかな？とかすら思っちゃう。



まぁでも、今は固く握られたこの手が離れなければいいやって思えるくらい幸せだからいっか、笑



「どしたの、なんか今日ご機嫌だべ」


『...そう？』


「さっきから鼻歌歌ってる。無意識か笑」



可愛いやつだな〜！！笑


そう言って笑いながら樹くんが頰を軽く摘んでくる。




彼なりのスキンシップ。


愛されてるんだなぁ、って伝わってくるよね笑


なんて、そんな楽しい時間もこの後一瞬で失われてしまった。




この時までの私はあんなにご機嫌だったのに。



ちょっとでも一緒に居たいからって遠回りなんかしなきゃよかった。




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