アイアムエコヒイキ!!/第１章/【狼ゲームアナザー】 (ページ8)

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1章:狼ゲーム6 ページ8

私はミルグラム実験について、ショウマさんに説明した。
知らない？簡単にいうと"一定の条件下では、誰でも残虐行為をするものなのか"ってもの。このゲームに当てはめると、狼のカードを引いたものは、自分が生き残るために人を殺してしまうものなのかなってことだね。
実験結果？自分で調べてよ。でも、誰だって自分の命が一番大事じゃん。外で待ってる人がいるならなおさらさ。
…このゲームは卑怯だよ。人に残虐行為を強いるだなんてさ。

ショウマ「Aちゃんって博識なんだね。
…一定の条件下、か。」

『わかりにくいですか？
身近なのは"いじめ"ですね。学校や会社などの場だと、いじめは付き物です。あそこは条件が揃いやすいんですよ。
だから、学校でいじめていた被疑者が100%悪いとは言えない。全部環境が悪いとは言いませんが、影響はあるでしょうから。』

ショウマ「…」

今のはもちろんわざとだ。彼の過去を知っているからこそ、あえて地雷を踏む。
彼は頭が良い。だから、もしかしたら、このゲームの真相に自力でたどり着けるかもしれない。その可能性を上げたい。だから"あえて"踏み抜く。

ショウマ「Aちゃんはいじめに遭遇したことあるの？」

『ええ、遭遇というかいじめられたことがあります。』

嘘

ショウマ「加害者が憎くないの？」

『別に。あれは仕方がないことだった、そう諦めてます。』

嘘

ショウマ「俺がもしその加害者の１人だったとしても？」

『犯罪者の人生が成功してはいけないなんてルールはありません。貴方が成功したのは貴方自身の努力の結果です。人の努力を否定したりしたくありませんから。
…それに、もう時効でしょう？』

嘘…

ショウマ「…やっぱり、東堂A…俺と中3でクラス一緒だったよね。」

あーいやな予感があたった。あたってしまった。
あとで教室の名簿確認してみよう。名前あると思うけど。
嫌すぎる。じゃあAさんは、相田ユウヤをいじめていた被疑者の一人。しかも彼の反応や謎の紙からみて、元は仲良くしていたけど、裏切った…って感じかな？
めんどくさー。ショウマさんと仲良くできる口実が出来るのは良いけど、それ以上にめんどくさいよ！
…はぁ、しらばっくれよ。

『すみません、そもそもクラスメートの顔とか名前とか全然覚えていなくて。
でも、ショウマさんがそういうならそうなんだと思います。』

ショウマ「その白髪と青い目、特徴的な喋り方…。
本人で間違いないよ。

久しぶり。」