1章:狼ゲーム28 ページ30
タケオ「ほ、本当にトイレに行ってただけなんだよ！
あ、あのときはすごく胃腸の調子が悪かったんだ…。も、もう我慢できなくて…。
トイレに行ったのはしょうがなかったんだよ…。」
コウ「ふん…。
それが武器庫の見習いを抜け出すための、演技の可能性だってあるんじゃないのか？」
タケオ「ち、違う…！
俺はマキさんを殺してなんかいない…！」
チエ「タケオさん…。とても必死な顔ですね…。」
ミサキ「ね、ねぇ…。
ホ、ホンマにお腹を壊していただけなんじゃ…。」
オサム「うーん…。」
ミホ「でも、それを確かめるのって不可能じゃない…？」
サトル「…そうだね。」
『しかし、アリバイを証明できない以上、一番怪しいのはタケオさんですよ？』
ユキナリ「タケオさん…」
タケオ「な、なんだよ…」
ユキナリ「本当は…お腹を壊していたなんて、嘘なんですよね？」
タケオ「はぁ！？な、何を言って…。」
ユキナリ「もしあなたがお腹を壊していたなら、絶対にあんなことはしないはずなんです…。」
ユウト「あんなこと…？」
サトル「い、いったいタケオさんは何をしていたんだ…？」
ユキナリ「タケオさん、あなたはついさっき、冷蔵庫から大量の食べ物を持ち出していましたよね？」
『え？僕は気づかなかったけど…』
ユキナリ「Aさんとはほぼ入れ替わりだったんです。僕達がプレイルームを出たすぐあと、2階でタケオさんに会いましたから。
あなたはそのとき、持ち出した食べ物を"全部一人で食べる"と言っていました。
昨夜、お腹を壊していた人が…今日になって、あれだけの量を食べるって普通じゃありえなくないですか？」
タケオ「そ、それは…。」
リンタロウ「僕も、タケオさんが大量の食べ物を抱えているところを見たけど、確かにあれは普通じゃありえないくらい量だったね♪︎
あの量は、お腹を壊していた人が食べるようなものじゃないと思うな〜。」
タケオ「うっ…。」
リツ「おい、タケオ！いったいどういうことだ？」
タケオ「え、えっと…。」
コウ「ふん…タケオさん…。
よく考えればあんたの行動は不自然すぎる…。」
タケオ「は…？」
コウ「あんたは、30分もトイレにこもるくらい、お腹を壊していたんだろ…？
だったら普通、病室に薬を取りにいくだろ。
しかし、俺が傷の手当てをしたときに救急箱は漁られた形跡がなかった。」
タケオ「うぐ！」
ミホ「救急箱なら私も確認したわ。
確かに、何も取られた形跡はなかったわね。」
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作者名：トランスウォランス | 作成日時：2023年10月2日 21時
