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1章:狼ゲーム25 ページ27

『いや、コウ君はマキさんを殺してないですよ?
だって、マキさんは"刺殺"ではなく"絞殺"でしたから。
死体には手形の痣が首に残っていました。だから、コウさんはマキさんを刺し殺していません。』

ユウト「でも、あのときどっちが致命傷かはわからないんじゃなかった?」

リツ「な、なら、コウが刺し殺したあとに首に痣をつけた可能性も…」

サトル「いや、あの程度の刺し傷なら致命傷にはなりえないね。私が確認したから間違いないよ。」

コウ「ふん…リツ…。お前はずっと…。"返り血を浴びているから"俺が犯人だと言っていたよな…?
だが、そもそもマキさんの死因が刺殺じゃなかったのなら…。俺が犯人とは言いきれないだろ…。」

リツ「そ、それは…
で、でも…!マキの死因が刺殺じゃなかったにしろ…コウが首を絞めて殺したかもしれないじゃんかよ…!
それに…!コウは、マキの殺された現場で倒れていたんだし…。やっぱりワタシはお前が怪しいと思う…!」

コウ「ふん…。勝手に言っておけ…。」

『というか、その可能性もないと思いますよ?』

リツ「ど、どういうことだよ!?」

『マキさんの首を絞めた跡には、右手薬指の位置に指輪の跡もあったんです。だから、どちらの傷も犯人がつけた傷でしょうから、犯人は指輪を付けている人物と考えるのが妥当では?』

ショウマ「あー、だから死体を確認したすぐ後に、"犯人がわかった"って言ってたのか。」

チエ「で、ですが…コウくんが犯人だと思われないために指輪を付けた状態で殺したのでは…?」

『それはないかと…。
だって犯人候補が狭まるだけじゃないですか。指輪をつけた人物全員がアリバイを証明出来たら意味ないですし。
そもそも、ここにはそれらしいものはありませんでしたし、盗んでまでするにはリスクが高すぎますから。
…まあ一応、誰も指輪を盗まれていませんよね?』


声をあげる人物はいない。当たり前だ。
だって、全員の服装が変わっていないことは確認済みだし…。予備の装飾品を持ち歩く人は普通いないだろう。


コウ「これで、俺が犯人じゃないと証明出来たんじゃないか?」

リツ「ぐっ…。」


異論はない。つまり、コウさんは白だと証明されたわけだ。


リツ「で、でも、返り血を浴びていたのはどうやって説明するんだよ!」

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作者名:トランスウォランス | 作成日時:2023年10月2日 21時

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