アイアムエコヒイキ!!/第１章/【狼ゲームアナザー】 (ページ23)

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1章:狼ゲーム21 ページ23

説明したあとは、コウさんは完璧に汚れを落としていった。リツさんは少し安心しているのか、目を瞑って休んでいる。どうやら寝てはいないようだ。

コウ「…助かった。これで借り一つか…」

『では浸けおきしている1時間でお話を聞かせていただけませんか？』

コウ「構わない。…何が聞きたい？」

『昨晩の気絶するまでの行動を詳しく。』

コウ「そうだな…
俺は昨晩、狼が動き出すタイミングを見計らって見回りをしていた。
そのとき、深夜なのにシャワールームから物音が聞こえたので向かったんだが、電気は消えており、俺が部屋に入ったタイミングで何者かに殴られた…といったところか。」

『その物音の詳細を聞いても？』

コウ「確かシャワーを使う音だった。
こんな時間に１人で使うだなんて無用心だと思って確認に向かったんだ。
だが、俺が部屋に入るときには聞こえなくなっていたな。」

『なるほど…では後頭部の傷をみせていただけませんか？』

コウ「…」

コウさんは何も言わずに後ろを向き、私に合わせてくれたのか少し姿勢を低くしてくれた。
かなり強く殴られたのかたんこぶが出来ている。しかし、出血はしていないし、彼のいうとおりただ気絶させられただけのようだ。頭の高い位置に傷が出来ているし、彼と同程度、または身長が高い人物の犯行…しかも素手でここまでできるかなり力の強い人。というところかな。
犯人像も絞れてきたし、アリバイからみても犯人はあの人で決まりだ。
実は、指輪をつけている3人の内、2人…タクヤさんとミホさんのアリバイを私自身が証明出来るのだ。だからあのタイミングでも犯人が特定できた。
しかも、少し不安だったミホさんが犯人像から離れていることがわかった。さすがに素手で人を気絶させられるほど彼女は強くない。
…つまり、犯人はタケオさんだ。

『ありがとうございます。これで貸し借りナシですね。』

コウ「こんなもので良いのか？これは調査の一貫だ。貸しなどなくても出来ただろう。」

『でも、借りがあったから素直に従ってくれたんでしょう？それで良いじゃないですか。
…あ、もう1時間立ちますね。』

コウ「…俺はこれから調査をする。3時間も使ってしまったしな。
おいリツ、監視するならちゃんとしてくれよ。その方が、俺が偽装していない証明になるからな。」

リツ「はぁ？お前に言われなくてもちゃんとやるって。」

『では僕は寝るので…調査頑張ってください。』

犯人に確証が持てたし、流石にもう寝よう。