1章:狼ゲーム19 ページ21
『つまり、マキさんの死因は絞殺だった…というわけですね。』
ユキナリ「え、えぇ!?」
アオリ「腹の傷口はどう説明するの?…どちらが死因かは特定出来ないんじゃないかしら。」
ショウマ「まあ、刺し殺したあとに首を絞めることも可能だしな。」
『…どっちでも良いんですよ、正直。』
ユキナリ「どっちでも良くはないでしょう!?」
『貴方達…これは"狼"を見つけるゲームです。』
ユウト「…なるほどね。Aはあくまでゲームとしてこの殺人を見てるんだ。」
ユキナリ「えっと…どういうこと?」
『私達は警察や探偵として捜査をしているわけではありません。あくまでもゲームで勝つため、犯人ではなく"狼"さえ見つかれば良い。だから、死因を無理に特定しなくても良いんです。
…つまり、どちらの傷も狼がつけたものならば、順序が逆でも構わないんですよ。死因が窒息死だろうと出血多量だろうと、結果は変わらないでしょうから。
無理に止めることはしませんが、無駄なことは避けた方が良いですよ。タイムリミットは12時間しかないんですから。』
全員理解出来たみたいだけど…
一応プレイヤー目線とキャラクター目線で捕捉しておくと、まずパターンは3つ。
1、どちらの傷も狼一人がつけたパターン
キャラクター目線はこれしか考えていないから理解出来た。これならシンプルだね。どっちが先でもつけた人物は変わらないし、吊る人物も狼一人になる。
2、二つの傷を狼が二人で別々につけたパターン
これはプレイヤー目線だからこそわかるけど、狼が二人いる可能性もある。でも、どっちも狼ならどちらを吊っても変わんないよねってこと。
3、二つの傷を狼と羊が別々につけたパターン
これはありえない…というかされたらお手上げ。どっちが狼とか判断出来ないし、50%にかける他ないんだよね。
だってこのゲームは、人が一人死ねば狼は生き残れる。誰が殺したか·誰が死んだかは関係ないから。
ユキナリ「な、なるほど…でも、肝心の狼は誰かわかったんですか?」
『ええ、手形の痣…右手薬指の位置に指輪の跡があります。これが犯人を特定する証拠です。』
ユキナリ「そうか…どっちの傷も狼がつけたなら、狼は指輪をつけた人だ。」
『これ以上捜査をする必要はないですね。アリバイは裁判中に聞けば良いので。…というか、犯人は分かりましたし。』
ユキナリ「え…ええ!?一体誰が…」
『言いませんよ、裁判までは。いろいろ面倒ですし。』
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作者名:トランスウォランス | 作成日時:2023年10月2日 21時