1章:狼ゲーム18 ページ20
アオリ「どういうこと？」
『いえ、血ってもっとドロッとしてるんです。それに跡が残ります。
でもこれは…』
そういって手をみんなにみせる。
到底血に触れたとは思えないほどキレイだ。
ユウト「残ってない…」
『そう、でもこの匂いは確実に血です。
…つまり、これは血がかなり薄められているということです。
…えっと、ドラマなどでお風呂に水を張って、手首を切って死ぬ…みたいな描写などをみたことがありませんか？
あれは効率的に出血させるために行うんです。
本来なら、相当傷が深くない限り死には至らない。でも、傷が塞がらなければ血は流れ続け、出血多量で死ぬ。
そのために、傷口を水に浸す。そうすれば血が固まらずに流れ続けるから。
そして、その現場は結構悲惨です。水が血で染まるため、大量に血が流れているようにみえるから。
…そう、この現場と同じように。
やはり、死体の確認が必要です。なにか、血を取り除ける方法を…』
そういってお風呂の栓を抜く。言ったすぐそばから行動してるよ。
でもほら。知ってたからね、しょうがないね。
しかし、血は流れない。これも原作通り。
…めんどくさいな。蹴ったらなんとかならない？
私は名前も覚えていない"排水溝の詰まりを直すやつ"を取りにいくのが面倒臭くて、思わずお風呂を蹴ってしまった。だって置いてあるのキッチンだよ？めんどうすぎるじゃん。
…あ、流れちゃった。
ショウマ「ち、力業で…」
『すみません…反省はしています。…後悔はしていませんが。』
アオリ「ともかく、これで死体の確認は出来るわね。」
『ユウト君は下がってて。ここは僕に任せてほしい。』
ユウト君は何も言わずに部屋の隅に移動した。
死体なんて見たくないよね。わかるよ。
…血を素手で掬った人間にいわれても説得力ないか。
死体を確認すると、原作通り首に痣ができていた。
ユキナリ「あれ…？皆さんここでどうしたんですか？」
…と、ここでユキナリ君登場か。こ、こいつ…もしかして推理力だけでなく、運のステータスもカンストしてる…？
ショウマ「死体の確認だよ。傷口とかがみたいらしい。」
そういってショウマさんはマキさんの死体を指差す。
ユキナリ君に目をやると、すごく驚いている。痣に気づいたみたいだ。
ユキナリ「こ、これは…手形の痣？」
『絞殺するときは、すごく力がかかりますからね。ほら、首吊りで死んだ人には縄の跡が残っているのと同じです。』
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作者名：トランスウォランス | 作成日時：2023年10月2日 21時
