1章:狼ゲーム9 ページ11
『どーもー』
コウさんを探してやってきたのは植物室。
ここなら人は来にくいだろうし、会えたらラッキーだと思ったんだけど…
コウ「うるさいぞ。何のようだ?」
うわー流石社交性0。容赦ないタメ口、でもそこが良い。
今回は交渉の"予約"をしにきた。初手で死なないと私はわかっていても、Aさん視点では知らない。だから、彼の力量を確かめるためという名目で予約させてもらう。
出来るなら、推しを殺さないように誘導したいけどね。彼じゃ難しいだろう。
『今回はコウ君と少々お話がしたくて来ましたー♪︎』
笑顔は絶やさない、絶対に。そういうキャラでいかせてもらうからね。Aさんがどんな人かは知らないけど、親しみを持ってもらうにはやっぱり笑顔が一番だからね。
コウ「話だと?俺はしたくないな。帰ってくれ。」
『えーそんなこと言わずにー。コウ君にとっても絶対良い話ですよー。』
コウ「胡散臭すぎるぞ、交渉したいならそう言え。」
『…』
やっぱ面倒臭くなってきたな。この人の前なら笑顔いらなくない?いらないよね、うん。私はすっといつもの無表情に戻す。やっぱりこれが一番ラク。
『交渉したいわけじゃありませんよ。交渉の予約です。』
コウ「予約だと?
…、なるほどな。俺の力量を計ろうということか。」
都合良く解釈してくれて助かるー。
『はい、狼裁判での活躍を楽しみにしてますね。』
コウ「予約ならば受けよう。交渉はもの次第だ。時間は開けておく。」
『じゃあ裁判終了30分後にこの部屋で待ち合わせしましょう。』
コウ「わかった。…終わったならさっさと出ていけ。」
私は怪しまれないように部屋を後にした。
というか、あの人少しもこっち見なかったんだけど!?コミュニケーションってなんだっけ!?
まあそこが良いんですけどね。
いやー意外と信用って難しい!
でも気長に待とうか。時間はまだあるんだから。
…このままで良いんだ。推し以外まで全部救おうだなんてバカげてるんだからさ?
救える命まで落とすことは、絶対に避けなきゃいけない。
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作者名:トランスウォランス | 作成日時:2023年10月2日 21時